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文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】

「文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】」はわたしが書くすべての記事を読みたいという方、定期購読で応援してくださる方向けです。執筆の舞台裏エピソードや医療関係者向けの特… もっと読む
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2022年8月の記事一覧

オミクロン株対応ワクチン導入、日本の備えは大丈夫か

8月31日、最新情報を大幅に加筆しました。 本日、日本でも10月半ばの導入を想定していたオミクロン株対応ワクチンの接種を前倒しし、「18歳以上を対象に9月から接種できるよう調整(検討)に入った」との報道が出ました。 ワクチンの導入には何かと慎重な姿勢できた日本ですが、今回の対応は早いと言えるのでしょうか。海外はどのような状況なのでしょうか。 note「来週にも承認予定のオミクロン株対応ワクチンについて知っておくべきこと」と合わせて読んでください。 欧米はすでに承認前発

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来週にも承認予定のオミクロン株対応ワクチンについて知っておくべきこと

日本でも導入が発表されているオミクロン株対応ワクチンについて、あまりにも情報が少ないので記事にしました。 8月15日、イギリスの薬事当局は米保健省と米モデルナ社が共同開発したオミクロン株対応ワクチンを緊急承認しました。対象者は18歳以上。 世界で初めてとなるオミクロン株対応ワクチンの承認です。 米国では「効果不十分」との判断しかし、このワクチン、肝心のアメリカでは承認されていません。 なぜかと言えば、このワクチン、

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日本がコロナを終わらせるための「唯一にして絶対的な方法」

日本がオミクロン株BA.5の流行に見舞われるなか岸田首相は、重症者や死者数が低水準に留まっていることから、行動制限を行わない考えを一貫して示してきました。 そして、自らも感染したからでしょうか。日本への入国および日本からの海外旅行を困難にしていた「入国前72時間のPCR検査」とい水際制限も見直すとの報道も出ています。 一方、NHKが7月に行った世論調査では、行動制限が「必要」または「どちらかといえば必要」と答えた人が56%、「どちらかといえば必要はない」または「必要はない

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ウクライナから来た女の子がくれたチョコレート

4月頃までは日本を含む世界の関心の中心だったウクライナ戦争。欧州でも関心は薄れていますが、戦争が終わったわけでも避難民がいなくなったわけでもありません。 問題も起きています。たとえば、ウクライナで勉強したり働いたりしていた外国人でドイツに避難してきた人たちは今、ドイツ政府から国外退去の命令を受けています。ウクライナ人の成人男性は国を去ることができませんでしたが、外国籍の人はそれができました。ただし、彼らは避難民とはみなされません。 金髪で青い目の避難民と肌や髪が黒いロマ(

結局どうする?日本も5歳から11歳へ新型コロナワクチン推奨へ

厚生労働省は8日、5~11歳の接種に予防接種法上の「努力義務」を課すことを決定したとの報道がありました。 12歳以上の子どもにはこれまでも努力義務が課せられていましたが、小さな年齢の子どもの新型コロナの重症化リスクは低く、ごく稀に起きる心筋炎などのワクチン副反応のリスクのデータは揃っていないため評価が難しいとして努力義務は見送られていました。 今回推奨に踏み切った理由について厚労省は、5歳から11歳に対するワクチンの効果と安全性に関するデータが集まったからとしています。厚

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人災としての医療ひっ迫

去ったと思えばまた押し寄せる、コロナ流行の波。これだけワクチン接種率が上がったのに、こんなに時間はあったのに、検査をなかなか受けられない、医療機関が混雑するといった状況がまだ続いています。 原因の1つは、日本では精度の高いPCR検査へのこだわりが強く、PCR検査である必要のない場面でも、抗原検査を用いた方がいい場面でもPCR検査を使うことを求め続けた結果、抗原検査を普及させることに失敗したからです。 皆さんの多くは、抗原検査のデメリットの方ばかりを聞かされ、「抗原検査は安

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