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文系女医の書いて、思うこと【プロフェッショナル】

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2021年10月の記事一覧

日本人による日本人のための「交差接種」最前線

今月20日、アメリカでは国内で承認されている、モデルナ製、ファイザー製、J&J製のすべてのワクチンの交差接種(1回目と2回目、あるいは3回目で異なるワクチンを用いること)が認められました。 日本では、モデルナ製、ファイザー製を接種した人がほとんどでJ&J製ワクチンは認められていません。現在のところ交差接種は限られたケースでしか認められていませんが、今後、世界の流れに乗って広く認められる可能性があります。 そんな日本人が今後、新型コロナワクチンのブースター(追加)接種をする

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「接種順」も重要!新型コロナワクチン交差接種最前線

このところ「交差接種」と呼ばれる異種新型コロナワクチンの併用接種に関する新しい報告が相次いでいます。しかし、日本の厚労省および専門家は交差接種に消極的です。 厚労省のウェブサイトでも、交差接種は1回目のワクチン接種後に重篤な副反応が生じた場合や、転居により1回目と同じワクチンを接種することが難しい場合などに限って認められるとしています。(10月25日現在) 日本ではワクチンの効果より副反応に注目が集まりがちです。今月20日、アメリカですべての新型コロナワクチンの交差接種が

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2019年10月、在武漢アメリカ領事館は武漢の異変をキャッチしていた

新型コロナの「第1号患者」の公式発生日は2019年12月1日だ。 2020年1月24日、中国の研究グループが専門誌の最高権威「ランセット」に発表した論文によれば、新型コロナによる最初の患者が確認にされたのは2019年12月8日で、その患者が症状を示したのは12月1日である。国際保健の最高権威であり、医療保健関連の国際統計のオーソライズ機関であるWHO(世界保健機関)も中国政府から同じ報告を受けている。 だから「第1号患者」の公式発生日は12月1日だ。 しかし、同論文と中

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子どもや若い人へのモデルナ製新型コロナワクチン接種停止について

10月6日、デンマーク政府は1991年生まれ以降の若い年代に対するモデルナ製新型コロナワクチンの使用を中止すると発表しました。若年層で稀に発症する心筋炎・心膜炎を懸念し、特に、12歳から18歳の子どもたちについては今後、ファイザー製ワクチンのみを使用するとのことでした。 北欧諸国のデータを解析した未発表の結果に基づく判断で、すでにEMA(欧州当局)には解析を提出しており、EMAの評価も今月中には出るそうです。一方、ニュースを受け株価を下げたモデルナ社は、「ワクチンによって引

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簡単な算数で納得!10%の接種率の差は集団免疫の点では10%どころではないという事実

わたしの暮らすドイツは、世界有数の人口当たり重症者病床(ICU病床)を持ち、パンデミック当初から検査やサーベイランス体制を充実させるなど、欧州における新型コロナ対策の優等生とされてきました。ワクチンの導入でも、優先接種者を細かく設定して集団接種で効率よく接種するなど工夫して、ワクチン接種率もEU(欧州連合)のトップを走っていました。 ところが、7月以降、ドイツは接種率の順位を下げています。 7月19日、ドイツはデンマークに2回接種率を46.5%と並ばれ、翌日以降はどんどん

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子宮頸がんワクチン、積極的接種勧奨再開へ

10月1日、厚労省の予防接種副反応検討部会で子宮頸がんワクチンの積極的接種勧奨を再開する方向で調整を始めることが決まりました。 10月1日夜の新聞各社の報道は以下のとおりです。 読売新聞 「厚生労働省の専門部会は1日、8年前から中止していた積極的な接種勧奨を再開することを了承した」 東京新聞(時事発) 「積極的な接種勧奨の再開を認めることで一致した」 朝日新聞 「勧奨を妨げる要素はないと確認した」 朝日にはこれまでの自社報道についても確認して欲しい NHK 「毎年

子宮頸がんワクチン「接種率30%」の市町村がやってること

本日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会で、差し控えられていた子宮頸がんワクチンの積極的な接種勧奨を再開することが了承されました。勧奨の「一時」差し控えから丸8年。再開に向けての議論がやっと始まります。 今年5月、共同通信が「HPVワクチン、接種率が増加 低迷から一転20%近くに」と報じました。現在の接種率が本当に20%なのかどうかははっきりしませんが、昨年の秋以降、子宮頸がんワクチンの接種率が上がっていることは確かです。 2013年、接種後に起きた痙攣

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