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【要点まとめ】『小3までに育てたい 算数脳』

文系脳、理系脳などと言ったりもしますが、その子によっての得意不得意もさまざまです。
でも親としては、できるだけ広い分野での能力を伸ばしたいと思いますよね。

わたしがクラスで見ていると、「算数が得意・好き」と言っている子は、頭の回転が速く、ポンポン次のことを考えられる子が多い印象です。

そのような能力を幼児期からどのように伸ばせるか。

わたし自身が数学苦手なバリバリ文系脳なので、算数脳の育て方、とても参考になりました◎

算数脳のベースは、9歳までが勝負!

  • 百マス計算で身に付く計算能力は、「イロハ」の「イ」。楽しく反復練習に取り組ませる意味では優れているが、計算の作業能力は鍛えられても、それで算数や数学ができる思考力が育つわけではない。

  • 幼児教室などで伸ばせる力は「計算が速い」「漢字が書ける」などの作業力に限定されてしまう。

  • 空間認識力や図形感覚が身に付けるには、小3・9歳までが勝負。

算数脳に必要な2つの力

【見える力】(イメージ力)とは

  1. 図形センス
    ひとつの図形を見たときに、選択的に「まずこれとこれが見えて、次にこれが見えて…」という見方ができる。

  2. 空間認識力
    立体の問題の発想の切り口は、基本的に4種類。「見取り図」「断面図」「投影図」「展開図」。
    紙の上に描かれた立体を頭の中でくるくる回したり、好きなところで自由に切ったりして、正確な投影図や断面図を描くことができる。

  3. 試行錯誤能力
    「考える」=「同時に手も働かす」習慣がある。
    図・絵・表を描きながら考えることができる。

  4. 発見力
    既成の枠を外した思考ができる。
    習っていないことについても、自分なりの解決方法を見つけて解いていくことができる。
    ユーモアセンスがある。

【詰める力】とは

  1. 論理性
    →トレーニングによって鍛え得る力。しかし、いったん「論理が破綻していても平気」という価値観を身に付けると修復が効かない。
    論理の整合性に敏感である。
    ただ1か所でも破綻することを許さない考え方が習慣になっている。

  2. 要約力
    相手の話をきちんと聞いて、質問されたことに正確に答えられる。
    「要するに何を言いたいか」をいつも意識している。
    相手の言いたいことのカギを探すという視点をもっていて、的外れにならない。
    (家庭での会話が大事!きちんとお互いの話を聞き、答えているか)

  3. 精読力
    読み落としや読み違いをせずに音読できる。
    一字一句読み落とさない、集中した読み方を体得している。

  4. 意志の力・執念
    悔し泣きするくらい負けず嫌いである。
    「どうしても自分で解きたい、自分で考えたい」と思っている。
    やり遂げる喜びを知っている。

「算数脳」に必要なこの2つの力「見える力」「詰める力」を伸ばせるのは小3・9歳まで。
その力を伸ばすカギは、家庭と遊びの中にある。

「外遊び」の中で、能力を伸ばす

  • 「夢中にになって五感を使って遊ぶ」中で知性は育つ
    自然の中で五感すべてを使って遊びつくす体験が知力を伸ばす。

    集中していればゲームでもいいのか?
    ゲーム類はそもそものめり込むようにプログラムされている。
    動いている部分は指先だけ、刺激を受けているのも脳の一部分だけなのでさほど知力を養う効果はない。

  • 集中・イメージ力は外遊びでこそ伸びる
    外遊びで培われる部分が多いが、室内遊びであれば、積み木や折り紙遊び、モンテッソーリの教具なども有効。

  • 異年齢で遊ぶ体験
    子どもは子ども同士の評価の中にいるときに最も伸びる。

  • 危険を「本能」で察知する能力
    「これは危ないかもしれない」という感覚は、すべての動物が生きている間中もっているのが本来の姿。社会の出来事に問題意識を持たせること、そのベースをなる危険への完成を研ぎ澄ませていくことは、自然で遊ぶ体験から培われる。

子どもを伸ばす親・つぶす親

  • 知ることを楽しむ能力
    幼児期には「知ることは楽しい」という実感を植え付けることに集中すべき。高学年に伸びてくる子たちは、決まって「何でもやってみよう」という気持ちを持っている子たち。
    遊び・体験優先型で、低学年のうちは多少知識で送れる場合もあるが、伸びてきたときの勢いは、そんな遅れはすぐ取り戻す。

    幼児期から親が背伸びして、嫌がる知識を詰め込む必要はない
    子ども自身が楽しめる以上に余計なことに手を出そうとすると、失敗する。
    熱心な親ほど、そうなりやすい。

  • 学びの芽を伸ばす環境
    子どもの学びの芽が順調に育つために環境が大切。
    低学年までに限って言うと、「お母さんが安定した状態」であることが子どもの伸びに関わってくる。お母さんが不安定だと、他の子の比べたり、子どもに手や口を出しすぎてしまう。

親のNGワード・NG行動

  • ✕「何回言ったらわかるの?」「さっき言ったでしょ」
    子どもは「何回言っても失敗するもの」という構えで。

  • ✕「この前もそうだったでしょう」
    過去の過失ボックスを引っ張り出さない。叱る時は「短く・後を引かず」がキーワード。

  • ✕「うちの子、ダメだから」
    大人同士の謙遜であっても、子どもは聞いていて「自分はダメなんだ」と思ってしまう。

  • ✕「あとで困っても知らないよ」「テレビばっかり見ていると知らないよ」
    この言葉を言われても、「よーし今から勉強するぞ」とは思わない。

  • ✕「お父さん(お母さん)に叱られるよ」「○○に怒られるよ」
    これを言う親は自分が主体となって問題に直面することから逃げてしまっている。子どもはその親の「規準」を知りたいと思っている。
    「いけないことはいけない」ときっぱりと伝えること。
    叱っているのは自分なので「私が許さない」とはっきり示すこと。

  • ✕「それじゃあ、今日だけね」
    親が根負けし、これを一回で許された子は、何かについて似たような理由を持ち出したり、楽な方へいく領域を広げたがる。
    最初が肝心。
    失敗例:「子どもと話し合うべき・子どもの意見を聞くべき」と思い込んでいる親
    →子どもと話し合うことはもちろん大切。ただ、やらなければいけないこと(宿題・手伝いなど)は話し合う余地はなし。理屈抜きで「やらなければならないことは、やりなさい」と毅然とした態度を示す。

  • 他の子と比較する
    子どもを比較して負け組に追いやらないこと。子育てとは、すべてを使ってぶっつけ本番で行うもの。そこに正解はなく、成長の速度も速いことが必ずいいとは限らない。
    親が子どもを丸ごと愛すことに自信を持っていれば、子どもは「自分は愛される価値のある人間だ」と感じてすくすくと伸びていく子になる。

  • 言い間違いを放置する
    育ちの環境は大きく、その一番大きいのが「言語の論理性」「コミュニケーションとしての会話」をしているか、の二点。
    根本的に親が間違った言い方をしないこと。使い方に不安があるときはすぐ辞書を引く習慣を持っていることが大事。

わたしがシッターで関わっていたドイツ人ファミリーの例
両親ともPh.D.で、子ども2人。(兄・妹)
母親とは英語(アメリカ育ちのドイツ人)、父親とはドイツ語で会話。
ちなみにドイツ語は、名詞一つ一つにder(男性名詞)die(女性名詞)das(中性名詞)が付く上に、その格変化もあります。
文章で話せるようになる2~3歳ごろから、子どもが話の中で文法なり格変化なりを間違えたら、毎回毎回訂正し、言い直させていました。「違っているよ」などとは言わず、ただ淡々と。
なかなか厳しい家庭で、「Nein(いいえ)」を口語で「Nee」と言うのも、「Nein」と言い直させていて、徹底しているなと感心しました。
そのお陰か、正しいドイツ語を話せていると褒められることが多いとか。 

子どもを伸ばす生活術

  • お手伝いは二度おいしい
    何か決めたことを一貫して継続してやらせることが大切。
    必然性のある生活の中の作業というのは、継続してやっていると必ず工夫してくるもの。
    「工夫する力」は、生活の中、遊びの中でしか伸ばせないもの
    最初は親のフォローが必要だが、それでも「助かるなあ」「いつもありがとう」と伝えること。

  • 𠮟るときはしっかり叱る
    「子どもを認める」ことは、「わがまま勝手にさせておく」ことではない。親がきちんと指針を示して甘やかさないことは、とても大切

叱り方3原則「厳しく」「短く」「後を引かず」
女性が厳しさを出すためには:
声を荒げるのではなく「一対一の空間で」「声を低めて」「真顔で」「ていねいな言葉で」言うことで迫力が出るよう。

  • 楽しむ姿を見せる
    親自身が何かに熱中している姿を見せること。本、音楽、映画、スポーツ、将棋、チェスなど。単純に親が楽しんでいる姿を見せると、「ああやって楽しむことがいいんだなぁ」と子どもが感じられる。

  • 子どもの「何?」「なぜ?」に共感する
    子どもの「何?」「なぜ?」「どういうこと?」に全部答えることは無理でも、その疑問をまずはきちんと受け止めること。
    知育という点だけでなく、情意的な部分でも、親がどう受け止め行動するかは、子どもの成長を左右する。

力の伸びる遊び術

  • 幼児期にもっとも大切なのは「外遊び」
    前述の「見える力」は特に、実際の体験がベースとして絶対必要で、外遊びや体験そのものでしかなかなか伸びない。

  • 図形センスに関わるゲーム
    積み木遊び
    立方体、直方体、四面体、三角柱、円柱、球くらいのバリエーションしかない素朴なものの方が「見立て」遊びが楽しめる。
    パズル
    囲碁

  • 空間認識力に関わるゲーム
    折り紙
    ただし、折り紙は何度も折っているものは機械的になぞるだけで頭を使っていないケースもあるので、新しい折り方に取り組むと良い。
    立体的な工作
    粘土あそび

  • 数理系センス全体に関わるゲーム
    数の概念の導入時期で大切なことは「音から入る」こと。
    ①ファーストステップは「数唱」(数を数える)
    数字を飛ばさず100まで数える。
    ②次の段階は「数え上げ
    「この電車は何両か」「あそこに鳥が何羽いるか」自然と目に入るものを数える。

  • 論理性に関わるゲーム
    囲碁
    将棋
    オセロ
    相手が子どもだからと手加減せず、最初にハンデを与えた上で親の方も全力でぶつかる。

    論理性のコアは「必要条件」と「場合分け
    必要条件」=与えられた条件が正しいなら必ずこうではなくてはならない、と絞り込んでいく考え方
    場合分け」=これとこれの場合しかないから、それぞれについて考えてみよう

数理系センスに関わるゲームの例
空間認識力に関わるゲームの例
論理性に関わるゲームの例

※本書には、この他にも、家庭で取り組めそうな遊びのアイディアが載っているので、ぜひ見てみてください◎

理解は「人に教えられるレベル」までを目指す

理解の度合い数
①聞いてふむふむとわかる
②自分で解ける
③自分でスラスラ解ける
④人の教えられる
⑤複数の人前で教えられる
 問題が作れる


③までいけばテストでは問題ないが、「本当にわかっている」のは④から
人に説明し納得させるには、全体を構造化したりポイントを絞るなど、全く別の創造的な知的活動が必要。
日頃から、子どもが「わかった!」と言う問題を「説明させる習慣」をつくると◎

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小4からでも「算数脳」を伸ばせるのか!?


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