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シスターコンプレックス

二歳年上の姉がいる。

物心ついた時からいつも一緒で、一度だけ大きな喧嘩をした事があったけどすぐに仲直りした。姉妹でお風呂に入るのは毎日の習慣で、私が二段ベッドの下で姉が上、だいたい同じ時間にベッドに入る。

友達と喧嘩した時、好きな人ができた時、一番最初に相談するのは姉だった。育った環境が同じ姉とは、思考も似ている。だから、相談したらいつも私が欲しい共感や答えをくれる。

私が高校2年生になった時、姉は上京し一人暮らしを始めた。

姉が上京すると知った当時は、姉が東京にいれば遊びにも出かけられるし、二人部屋だった部屋も一人で使える、そんな風に思ってた。

でも、姉がいない初めての生活は、当時私の心に大きく穴をあけた。もちろんメールも電話もできたけど、”いつも一緒にいた存在”はそれだけじゃ埋まらない。

姉と初めて離れて生活したその年、私は体調を崩す事が多くなり、時々、過呼吸も起きるようになった。その当時は、続く体調不良と過呼吸が起きる理由が何なのかわからなかった。

その後、高校卒業して親元を離れ私も上京。再び、姉妹での二人暮らしが始まった。

また毎日のように一緒にお風呂に入り、友達や彼氏の話で盛り上がる。その頃には、すっかり体調不良も過呼吸も起きなくなった。

お互いに大人になったので、時には友達や彼氏と夜遊びをする事もあった。そんな時に限って親から電話がかかってくるので、私たちは口裏合わせて、親を心配させないようにちょっとだけ嘘をつく。

そんな日々を数年間送り、私は留学するため姉と離れ海外に行った。

留学は一年間でまた二人暮らしに戻る予定だった。その頃、姉はもう社会人で、仕事から帰ってきたらあの2LDKのマンションに一人でいると思ったら、少しだけ切なくなった。

そして留学中のある日、姉から電話が来る。精神面での不安定さが続いてるから、仕事を休職する事になったと。

姉は、幸い休職が長引く事なく復帰できたのだけれど、私たち姉妹は、お互いの存在が限りなく大きく、とてつもなく似ていることが心底わかった。

この世界で一番信頼できて、心の拠り所の姉の話し。

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