会社員の父が教えてくれたこと。

「できない理由よりもできる理由、方法を考えることに集中する。」

ありきたりな言葉だけど、 数年前、この考え方を大切にしなければいけないと
身に染みて理解した出来事があった。

大学時代にイギリスに留学していた時のこと。
イギリスの生活にも慣れた頃、クレジットカードが突然使えなくなった。

日本にいる父がカード会社に連絡をするも、カード名義は私なので、当然 「本人ではないので、お話しすることはできません。」と取り合ってもらえなかった。

これを聞いて私は、「詰んだわ。」と思った。

だって、 スペアで持っていたカードは、イギリスでは殆ど使えないし
現金生活をするとしたら、国際送金になりレートが悪すぎる。
そもそも寮のランドリーの支払いは、ネット払いだし
休暇中にEU圏内を旅行する予定だけど、カードがなければ、ホテルも航空券も予約できない。

カード会社と直接話すには私が直接電話をかけるか、日本に一時帰国するかで
国際電話するのも良いけどやったことがなくて、よく分からないし操作を間違えたら怖いし、データローミングをしたら高額請求になるかも知れない。
でも、カードを新調するためにだけに日本に帰るのも馬鹿らしい。

そんな時、最低限のコストでカード会社と私が直接話すために父がとった行動は 固定電話でカード会社と繋ぎながら、スマホで私と父をLINE電話をスピーカーにして繋ぐという方法だった。

至ってシンプルな解決策ではあるが、コロナ前でオンライン会議も普及していなかった当時、 掛け手と受け手の一対一で成立する電話の合わせ技を、父はものの数秒で思いついて、問題を解決させた。

「高額な国際電話か一時帰国」と「電話とネット電話を繋ぐ」だけでは、目的は一緒なのに、解決の手間もコストも全然異なっていた。

カードが使えなくなったという状況を問題と捉えてその影響と「カード会社と直接話す」ということを表面的に受け取り、できない理由ばかりに集中した私と

カードを再開させる=「いかに低コストでカード名義本人とカード会社を会話させるか」つまり、どのように問題を解決させたいかを含めて解決方法を考えることに集中した父。

この問題の捉え方や思考プロセスは、日々、父が社会人として働く中で 様々なトラブルに対応する中で培われたものなのだろうと思った。

問題解決力は、仕事をする上で欠かせないスキルの一つだと思う。 新しい業務を行うにしても、業務改善をするにしても 仕事をする中で常に問題は生まれる。

その中で、できない理由を考えることに集中するのではなく 「できるようにするにはどうすれば良いか」をなるべく多く考えながら、行動したい。

#大切にしている教え


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