鬱病患者の見える世界

「あなたは、鬱病です。」

そう診断されて、10年が経つ。
この10年、良くなったり、ぶり返したり、
今はかろうじて普通の生活を送れている。

きっかけは、ある失敗。
プライドが高かったがため、無理をし、それが失敗したのだ。
周りの目が怖くなり、自分を責め、自らの心を追い詰めてしまった。

最初に無気力になった。
専業主婦の私には一日が長かった。
何もする気が起こらない。
洗濯、食事作りは家族がいるからしなければならなかったが、それも苦痛だった。
外に出たくない。
食料がなくなり、買い物に行っても何を買えばよいのかわからず、スーパーの中をぐるぐる何周も周る。
とても疲れた。
ただ、ただ、何もせず横になっていたかった。

その次に眠れなくなった。
人は何日か眠らないと死ぬというが、それは思考が死ぬという意味だと思う。
私は1か月以上、全く眠れなかった。眠れないけど、それだけでは死ななかった。
2日も眠れないと、正常な思考ができないと今でも思う。だから眠れないことは何より怖い。

1か月眠れなかっだ私は、いつしか死ぬことばかり考えるようになった。

続く

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