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チャレンジ〜本を読む№2

読書感想文『どんぐりと山猫😺』(宮沢賢治作)

このどんぐりと山猫は童話です。
宮沢賢治の生前中唯一自費出版で出した短編集で、『注文の多い料理店』に収録されています。


作品から考察と感想文 ※途中ネタバレあります。
〈 はじまり 〉
童話は、山猫からおかしな手紙が届くところからはじまります。
手紙💌の中に「めんどうなさいばんにおいでください」この手紙は、(山猫は言い分争いの耐えないどんぐり達に困りはて、公開裁判を開催しています。山猫はその辛さに耐えかね一郎を招待するんです)

〈 私が感じた賢治の魅力 〉
手紙をもらった一郎は、純粋にまだ見たことのない(さいばん)とやらに、ただ興味とわくわくを覚え、山猫に会いに行きます。こうゆう一郎の純粋な思いは、微笑ましい。
一郎が山猫を探すために尋ね続けて、みんな的はずれな答えをしますが、それでも前に前に進んだ一郎。行った先にやっと会えた山猫。その山猫の格好は読み手である私を不気味にさせて、身震いさせました。賢治は、山猫をそれくらいこわい描写に描いたのです。
この二人の相反するキャラクター設定と描写のうえの[言葉]。日本人の気質である繊細さと謙虚さの表現力にとても長けていて読み手の心をくすぐります。それと、額に汗が吹きでるシーンの描写なんかは、自ら農民生活を好み体験としてあることを表現されていて[自費出版]賢治の生活の素朴さなどもなんか感じとることができて、当時の賢治の生活も透けて見えてきます。
昨今の物価上昇から、現代人における厳しい現実と四十代のこれからの自分の未来が読めなくなってきている現代とタイムスリップしてリンクています。おそらく二十年前には読めなかったこと。
どことなくノリなのか、粋のよさも感じられます。これは、深く探れそうです。

〈 なぜどんぐりだったんだろう? 〉
宮沢賢治の文学は自然物の『おと』の擬音語がとても美しい。私が大好きだったのはどんぐりの「ひゅーぱち」それも連続していく「ひゅーぱち、ひゅーぱち」『おと』が楽しく繰り返し口ずさみました。
そして、目の前に山や滝やきのこも浮かび上がる描写『いろ』です。一郎が森の中を探索するうちに自然界の『いろ』をみます。まっ白な岩、白いきのこまっ青のそら、まっ黒な榧の木の森です。瞼の上に焼き付くような『いろ』
現実では、映えない茶色のどんぐりをあえて主人公にし、作品の中では、『黄金色』のどんぐりと決めて物語を書き上げた賢治の意図が美しい。
‘’僕が一番‘’というどんぐり達が争うさいばんは、この頃、学校教育が比較をテーマに大きく変化するとしり、これに危機感と反発を覚えた賢治の心中がひた隠しにさてている。
この初期の作品は、賢治のという人間性が作品の中に生きている人間愛だと思いました。
私がラストシーンで、一番心地よい言葉。
どうしても置いておきたいので貼り付けます。


📖宮沢賢治の『どんぐりと山猫』📖より

場面は、どんぐり達がそれぞれ自分の主張する中で、山猫が

「(一郎さん)この中でえらいのはだれですか?」
と聞くと、
一郎がこう答えた。

『このなかでばかででたらめで、まるでなってないのがいちばんえらい』


最高ですね。




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