仲良シふれんず
Trick-taking games Advent Calendar 2023の19日目にお邪魔しております。りかちと申します。
今回は『仲良シふれんず』の紹介をしてみたいと思います。
よろしくお願いします。
昨年もお邪魔しまして、昨年はトリックテイキングを作るのはいかに簡単かという記事で参加しました。
となると今年は30分でちゃちゃっとトリックテイキングゲームを作って投稿する『お手軽30分トリテ制作 実践編』をお届けするのが自然な流れだと思うのですが
そんなことよりこのゲームのルールの完成度を見てくれ
という思いが強く、今年はあるゲームの紹介記事に留めておこうと感じた次第でございます。
ルール
ゲームマーケット公式サイトに「まんがで読める説明書」もあるので、気になる点があればそちらもご覧ください。
マストフォローノートランプのトリックテイキングです。ゲーム終了時に失点が一番少ない人が勝ちです。
カードは1~12までが4スートで48枚。4人で遊ぶときは配り切り、3人のときはランダムに9枚抜きます。
ゲーム開始前に手札の交換があります。各プレイヤーは配られたカードの中から3枚を選び左隣に渡します。
3,6,9,12のカードは仲良しカードです。仲良しカードを手札から出すとき、手札のカードを追加でもう1枚出すことができます。出せるカードは
自分が出した仲良しカードと違うスート
自分が出した仲良しカードより低いランク
の2つの条件を両方満たしたカードです。仲良しカードで出す追加カードがまた仲良しカードだったとしても3枚目のカードを出すことはできません。上の条件を満たす限り仲良しカードで出す追加カードがトリックをとることはあり得ません(読者への演習問題とする)。
トリックをとったプレイヤーは、リードスート以外のカードをすべて引き取り自分の前に伏せておきます。引き取ったカードのランクがそのまま失点です。
仲良しカードの影響でプレイヤーの手札枚数にばらつきが生まれます。手札がなくなったプレイヤーが出たらそのトリックで1ディール終了です。このとき手札が残っているプレイヤーは残った手札のランクの合計も失点になります。
各自失点をカウントしメモしておきましょう。
オープニングリードを左隣にずらしながら人数分のディールを行います。累計の失点が一番少ない人が勝ちです。
推しポイント
いわゆるトリックを取りたくないトリックアボイダンスです。似たようなゲームではハーツ(ブラックレディ)などが有名でしょうか。
ポイント① シンプルなルール
ルール説明を読んでいただけるとわかると思いますが、ルールは必要最低限でまとまっており一度ルール説明をされればすんなり遊べるものになっています。
経験上トリテはある程度ルールが複雑でも遊んでみると何とかなるものが多いですが、やはりシンプルなルールで1ディール目から真剣に遊べるトリテは良いものです。
ポイント② 失点のシステム
失点を特定のカードにせず、すべてのカードに失点の可能性を持たせることによりラストトリックまで失点が飛んでくるドキドキ感が継続します。
むしろ終盤に向かうにつれディスカードが増えるため、終盤こそ大量失点の地獄が訪れます。
終盤に向けて徐々に高まる緊張感をシンプルなルールで実現しています。
仲良しカード
そして失点のシステムと相性抜群なのが仲良しカードです。
ディスカードが失点となるならば全員のハンドにスートが残っている序盤のうちにハイカードを処理してしまいたいものです。すると各自が序盤に多少強引にハイカードを片付けて、終盤は大量失点のもととなるハイカードがなくなっているという展開もありえます。これでは終盤の期待が肩透かしに終わってしまい興ざめです。
そこに小粒でもピリリと効いてくる山椒のような小粋なルールが「仲良しカード」です。
序盤のハイカードリードに対して仲良しカードで失点をぶっ込めるようになったので雑にハイカードを処理することができなくなっています。
仲良しカードが連れてくる追加カードもルールがよくできています。
違うスートしか出せないため、高ランク仲良しカードを有効に利用するためには2スートのハイカードを抱えておく必要があります。うまく逃げ切れればよいですが、終盤になって仲良しカード用に温存していたハイカードが暴発して失点を生んでしまう恐れがあります。
また、低ランク仲良しカードは自分より低いランクの友達を紹介するため、自分の大事な逃げ札を切ってしまうことになり、こちらも大変危険です。
仲良しカードの友達紹介は必須ではありません。無理せず1枚ずつ出していくのが安全でしょうか。
しかし、それも許されません。ゲーム終了時に残った手札は失点になってしまうので他人が仲良しカードを使えば使うほど手札に失点を抱えてゲームが終了に近づく可能性が高くなるのです。
そして地味に重要なのが最高ランクの12が仲良しカードであるということです。
先ほども書いた通り序盤からハイカードリードをするのはリスクだということはわかっていただけると思います。では4人目ならどうでしょう。1巡目、場の3枚に失点札がない。となれば自分の最高ランクでトリックをとるのがよさそうです。3人目でも後ろの1人が変なことをする可能性は低いと高ランクのカードで勝負に出ることが考えられます。
しかしその最高ランクが12だったら? たしかにハイカードを処理できますが、この12を抱えておいてあとでディスカードができたら誰かに23点セットをお見舞いできるチャンスです。
リスクに目をつぶって攻撃的にゲームを進めるか、リスクを重く見て防御的にゲームを進めるかを能動的に選べるのも仲良しカードの大きな魅力の一つです。
推しポイントまとめ
以上をまとめると。仲良シふれんずは
ゲーム序盤からハイカードを出すか温存するかの駆け引きを迫られ
ゆっくり防御的にプレイするだけでは手札を残して大量失点の恐れがあり
かといって果敢に攻めると足元をすくわれて大量失点の恐れがある
そんな緊張感が終盤に向けて増していく
とても和気あいあいとした楽しいゲームです。
ほら。タイトルも「仲良シ」な「ふれんず」だし。
イラストも森の動物たちが可愛いでしょ?
みんなもぜひこのゲームを通じて友達ともっと仲良しになろうよ!
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