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協会活動日誌 その1

タイポグラフィックス・ティー誌について

所属している日本タイポグラフィ協会より、「タイポグラフィックス・ティー」誌が発行されています。なんと創刊以来39年越だそうです。
300号ではリニューアルして判型なども変わり、少し前から私も編集チームメンバーとして制作に関わらせて頂いています。

・特集(毎回テーマが異なる)
・JTA TOURS 会員紹介
・アドベンチャー・タイプ 協会の和文オリジナルフォントを作ってしまおうという未曾有(?)のチャレンジの経緯を楽しく掲載
・Global Type Relay 海外のタイプデザイナーさんを紹介。翌号ではバトンを渡された別の国のデザイナーさんを紹介
・21世紀の欧文書体
・組版とDTPタイポグラフィ
・Information

という内容で、とっても読み応えのある雑誌として年3回発行されています。

302号について

現在発売中の302号にて、表紙と特集ページのデザイン制作を担当いたしました。私のような若輩者にありがたい機会ですし、知名度に関わらずメンバーにいろんなチャンスを作ってくださるのはこの協会のとても素晴らしいところだと思ってます。
誰が何を担当するかを雑談を交えつつ決めるZOOM会議で、
「リッキー、表紙と特集やってみん?」
という編集長からの声かけに対し
「OK、俺の才能が世界に知れ渡っちゃうぜ!」というわけのわからない返答をしながらも心臓は「やべー」とプレッシャーでドキドキでした。

302号の特集テーマは、「いま、この瞬間のメッセージ ウクライナより」。
現在戦地となってしまっているウクライナにおいて、「戦争」という状況によって、街中で見られるタイポグラフィは変化しています。
いまこの状況で、人々がどんな想いを叫んでいるのか、どんな言葉を文字として表し発信しているのか、現地で取材を行っているジャーナリストさんからお写真とキャプションをいただき紹介しています。

特集のデザインを担当するにあたり、タイトルも考えることになりました。私は当初、「『いま、この瞬間』のタイポグラフィ ウクライナより」として提案したのですが、翻訳を担当してくれたウッチー氏や編集長のダンカンさんより、「綺麗に整えられたりコンピュータで作られた文字ばかりではない中で、タイポグラフィという言葉は違和感がある」「まさに刻一刻と状況が変わる現地の人たちの、心の叫び、思いなんだ」という意見を頂き再考することに。
現地の記者からのレポート、日本の人たちにも伝えたい、知って欲しいという思いもあるので、メッセージという言葉を使用することにしました。(『』については使い方がおかしいということで却下に。日本語、ていうか記号の使い方難しい)

今回はとにかく写真とその説明を見て欲しい!という気持ちから、いわゆる表面的な装飾性や見栄え、意匠性といった意味でのデザインは凝ったものにはしていません。
それよりも、頂いたたくさんの写真の中から、限られたスペースにどの写真を載せるのか、表紙を開いた一番最初の写真はどれにするのか、その下には何を載せるのか、それぞれの写真をどの順番で見せるのか、などといった構成的な部分を悩んで制作しました。
写真は背景を黒にすることで見やすくしつつ、現地のシリアスな状況や、ネガフィルムやアルバムをイメージしたデザインにしています。パッと見は単純なデザインではありますが、ディレクターさん達からも意見を頂き相談しながら進めています。

紙も選んでます。

表紙に使用する紙についても担当デザイナーが選択しています。
今号では、時事性と速報性の強い内容から、「タブロ」という新聞紙をイメージして作られた用紙を選びました。
薄い紙なので表紙に使用するには「破れるんじゃないか、ボロボロになるんじゃないか、インクを吸って真っ黒になるんじゃないか」という不安と恐怖もある中で、来年の総会で他の会員さんに責められひたすら謝罪する自分の姿を想像しつつも編集長/ディレクター/委員長の「やってみなよ!」的な後押しのおかげで思い切ってチャレンジすることができ、結果的に良い選択となったと思います。
表紙についてはデザインももちろんのこと担当のデザイナーがどんな紙を選んでいるか、また1色使用できる特色を何にしているかなども見どころです。

どのコーナーも、読み応えあり。

特集以外のページも、ぜひ毎回楽しみに読んで欲しいし、読み応えのあるものにしたいと思ってチームが取り組んでいます。
協会に興味あるけど敷居を感じてしまっている方には会員紹介ページを見て実際の会員や協会の雰囲気を少しでも感じ取っていただければ。
アドベンチャー・タイプでは本文用の一つの書体を作るためにワイワイ皆で明るくかつ真面目に取り組んでいる過程を一緒に体験・体感して欲しいし、Global Type Relayでは海外のデザイナーさんの作るフォントと考え方を見ることができます。
「21世紀の欧文書体」と「組版とDTPとタイポグラフィ」では欧文の書体ファンダリー(書体をデザインや販売している会社さん、ベンダー)や組版の知識が学べます。
広告ページも、毎回異なるデザイナーさんがモリサワさんのフォントを一つ選んで文字のフォルムと空間に注目したデザインを制作されていて、これはホントにアイデアや表現がとても面白い。

次号も、楽しみ。

現在、引き続き303号を制作中です。303号の特集も大変面白いものになってます(ホントに)。
重くなく持ち運びやすいサイズ、お値段も税別550円!(完全に販売の宣伝になってしまった)
タイポグラフィに興味のある方は是非。
バックナンバー含め、下記サイトから購入できます。
https://www.typography.or.jp/pub/ti-new.html


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