見出し画像

山塚りきまるの『なんかメロウなやつ聴きたい』第101回 最近よかった新譜特集


はいどうも。

先日ついに30歳になりました。

次は31歳目指して頑張りますのでよろしくお願いします。

今回は『最近よかった新譜特集』ということで、最近聴いてよかった新譜を皆さんにご紹介するべくこうしてキーパンチしている次第でございます。ちなみにTOP画はブラジルのドナート親子がやっているブラジリアン・ソウル・ユニットのArosaですが今回は別に紹介しません。ただジャケを見て欲しかっただけです(もちろんArosaは素晴らしいです、念のため)。

どれもこれもゴイスーでアメイジングな作品ばかりなので、気になった方はぜひご一聴をばよろしくお願いいたします。みんな、ついてきてね!



一曲めは、Young Gun Silver Foxで『kids』。

ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスは、イギリスのモダン・ソウルバンド、ママズ・ガンのフロントマン、アンディー・プラッツと、トミー・ゲレロやエイミー・ワインハウスに楽曲提供してきたことで知られるロサンゼルスの鬼才マルチ・ミュージシャン、ショーン・リーによるユニットです。

スティーリー・ダンとかホール&オーツみたいな、エレガントで風通しの良いグルーヴに溢れた西海岸AORをやっているグループで、彼らのファーストもセカンドも大変な名盤なんですが、今回ドロップされたサードも相変わらずの高品質。というか最高傑作と言い切ってしまっていいと思います。

音像は80年代の意匠をまといつつも、音色とかコーラスワークとかフレージングはちゃんと現代風にアップデートされてるという、いまのトレンドど真ん中の音ですね。まさに匠の域であります。

キュートなMVも最高。




二曲めは、Gil Scott Heron,Makaya McCravenで『I'm New Here』。

2011年にこの世を去った、詩人で作家でミュージシャンのギル・スコット・ヘロン。ストリートに根ざし、ラップの始祖のひとりとしても語られる彼の生前最後のアルバム、『I’m New Here』がシカゴのジャズ・ドラマー兼プロデューサーであるマカヤ・マクレイヴンによって再録/再構築されたアルバムです。だからリミックスじゃないのね。リイマジニング(オリジナル作品を再び作り直すこと)です。

マカヤ・マクレイヴンの名前をご存知ない方も多いかと思われますが、このひとはフライング・ロータスカマシ・ワシントンに次ぐ、ジャズとヒップホップの新たなる融合を示す新世代のビートメイカーだと言われつつ、なんかとくにドカンとブレイクすることもなく現在に至っているという、そういう感じのひとですね(笑)。

ギターやピアノの弾き語り、ハンドクラップやパーカッションなどのシンプルな演奏をバックにした、ポエトリー・リーディングめいた歌が主体だった『I’m New Here』に比して、このアルバムはサンプリングや即興演奏なども織り交ぜた、かなり分厚いサウンドメイキングになっております。とくに、どこかオリエンタルなムードに溢れた『I'm New Here』が素晴らしいですね。

ギル・スコット・ヘロンっていうと、『ウィンター・イン・アメリカ』ってアルバムに短いあとがきみたいなのがあって、その末尾が『永い冬はもうすぐ終わる。春に君と会おう。』って言葉で締めくくられてて、その言葉がなんかものすごい好きですね。春に君と会おう。



三曲めはChara+YUKIで『楽しい蹴伸び』。

まぁしとっつも言うことないですね。もう多方面であらゆる角度から語りつくされているであろう(検索してないからわかんないけど)このアルバム、この楽曲について語ることなんか何もないですよ。もうずっとこれ聴いてますね。

構造的に分析すると80年代のダンス・ポップなんだけど、音色やフレージングが現代風にアップデートされてるから一聴して80年代のフレーヴァーに気づきにくい。この『パッと聴くと今っぽいけどその実80年代感がある』っていうのが今のポップスのトレンドですよね。

『一周まわっておしゃれでしょ?』みたいに80年代感を全面に押し出していくのはもう古いんだというね。ああいうギャグっぽい、半笑い感のある80年代リヴァイヴァルはもうやり尽くされちゃいましたよね。

この真摯に80年代の快楽性に取り組むっていう姿勢の下地を作ったのは間違いなくvaporwaveだと思いますよ。

作曲は天才・TENDRE。このひとampelってバンドやってて、何年か前に『レッド・フォーカス』ってソロ出したときから結構好きだったんだけど、『楽曲が素晴らしいけど若干ヴォーカルが残念だな(何様)。こういう音楽って歌の上手い下手より声質大事だからな(マジ何様)』って思ってたんだけど、適度にチャラくて今っぽくてゆるく踊れる感じのサウンドがCharaとYUKIの声にバッチバチにハマりまくってますね。

BメロだけめちゃくちゃJ-POPな感じもいいですね。J-POPリスナーを置いてけぼりにしてない。名曲だし、名盤です。

あとこれ聴いてダイアナ・ロスのこの曲思い出しました。

こういう感じをゆるく現代風にアップデートするのがトレンドなんですよね。

まあそれvaporwaveでもうやってるけどね。

やっぱ最近のトレンドの下地には絶対vaporwaveがありますよ。なんでも。




四曲めは、Ruruで『Old Friend』。

前にもご紹介しました、フィリピンはマニラ出身の宅録SSW、ルルのとれとれの新譜でごぜーます。チルでチープでドリーミーなポップスに甘くスモーキーで気だるい歌声が乗っかるという、まさにジス・イズ・ベッドルーム・ポップな仕上がりになっております。

もうこの曲はイントロから最高ですね。ディズニーランドみたい(は?)。

このひと音作り死ぬほど上手いですね。音響の組み上げ方がなんかもうブライアン・ウィルソンみたい。おそらくは意図的に低音絞ってる感じも気持ちいいんですよ。このEP、必聴です。





はい、というワケでいかがでしたでしょうか、山塚りきまるの『なんかメロウなやつ聴きたい』第101回 最近よかった新譜特集、そろそろお別れのお時間となりました。次回もよろしくお願いします。お相手は山塚りきまるでした。



愛してるぜベイベーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?