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気力と体力を奪う暑さ

今日で猛暑、いや炎暑と言うのだろうか、何日めだろう。
これだけ暑いと、健康な身体でも体力ばかりでなく、気力も奪われる感じがする。老いてなおそう感ずる。

暑さは体力のみならず気力も奪う。

怠(だる)さというのは、体力の一部だろうか、気力の一部だろうか。
それとも、それらの中間にあるものだろうか…これだけ暑いと何だか朦朧として訳が分からなくなる。

昔、こんな暑さが続く日、ある地方の盆地に役人が来て、この地方の農民はみな怠け者だとお殿様に報告書を出したらしい。農民たちはあまりの暑さに役人が来ても何の応対もせず、何の気力もわかず、ただもう怠くて、少しも動く気など起こらず、ほったらかしにしていたらしい。

この話には続きがあるが、それがどう展開したか、思い出せない。とにかく暑い、暑いというので妙にこの部分が印象に残っており、炎暑の日には、なぜかこの部分のみが思い出されるのである。

天空を見上げると、入道雲が巨大な生き物のようにムクムクと立ち上っている。何かのドラマや神話が生まれそうだ…

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