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「無理ゲー社会」とは
『無理ゲー社会』を書いた橘玲(あきら)氏にインタビューした毎日新聞記事(2021-10-5〜6)を興味深く読んだ。
そもそも私は「無理ゲー」という言葉を知らなかったが、この記事を読んで初めて知った。
記事を読んだあと、小学4年生に確かめたら、「無理ゲー」という語を知っていたので、ちょっと驚いた。既に子供たちが日常的に使っている言葉なのだった。
それは「クリアーできない、バグの多いダメなゲームだよ」と吐き捨てるように言って、お気に入りのゲームをパッドでやり出した。
だが、その「無理ゲー」と「社会」とを結びつけた「無理ゲー社会」というのは、現代社会を分析する橘氏独自の概念であり、見方なのだろう。
ゲームとかプレイヤーという言葉は、近年多くの人たちが様々な分野で幅広く用いていることは知っていたが、それはなにやら難しい数学的理論が加味されているようであった。
が、橘氏の語る「無理ゲー社会」は、それとは無関係ではないかもしれないが、ひとまず措いているようである。
君たちが「生きづらさ」を感じている社会は、実はもともと攻略不可能なゲームの中で生きているようなものなのだよと教えてくれた。
以下、引用は毎日新聞記事より。
「問題の本質は急速なテクノロジーの進歩を背景とした『リベラル化』『知識社会化』『グローバル化』です。」
「メリトクラシー(知能と努力による支配)が進んだ米国では『知能格差社会』が現実化し…知識社会が高度化するにつれて個人に要求されるハードルがどんどん高くなっていく。」
実際、日本でも、スマホやPCなど使いこなせず、いろいろな利益や便宜を享受できない高齢の人たちが溢れていると思う。
いや、若者ですら「そのスペックだと君に仕事はないよ」と言われかねないようになったらしい。
「リベラルな社会では、人種や性別、身分による差別はなくなるはずなのだから、すべての結果を個人で引き受けるしかない。これはきわめて残酷な世界です。」
「大卒でも非正規で不安定な生活を強いられている人がたくさんいる。その一方で、SNSではごく一部の成功者たちがもてはやされ、目指すべきゴールのハードルが上がっている。これは攻略不可能なゲームの世界に放り込まれたようなものです…」
「『無理ゲー社会』化は(今後も)進んでいきます。」
「自分だけが失敗している、脱落していると思うとすごい恐怖ですが、そうではなく、大きな流れの中にのみ込まれているのだと気づくだけでも、ずいぶん違うのではないでしょうか。」
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