4月5日

 國分功一郎『暇と退屈の倫理学』の読書会をした。今回は朝9時から夕方ごろまでの長丁場でなかなか疲れた。
 「暇」と「退屈」をそれぞれ客観的状況と主観的状態として区別することで自分が直面する「暇」と「退屈」をより高い解像度で捉えることができるようになった。とりわけハイデガーが提示した退屈の三形式の分類を今までの自分の経験に当てはめて解釈することで「暇」に際して「退屈」してしまったときの処方箋を自分で作る手がかりを得られたのがよかった。「退屈」を生きるためには物事を楽しむための技術の訓練が必要であり、その一端を学問が担っているのだと思う。
 本書の中で著者が気晴らしの例として博奕を挙げていたが、賭博を「暇」と「退屈」との発生的関係性の中で考えるのも面白そうだ。曰く、「暇と退屈の賭博論」。

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