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替え玉の心づもりでのれんをくぐる

昨日の夕方、ムスメが修学旅行から帰ってきた。大阪〜京都〜奈良の三都を巡る二泊三日。…と言うとなんだか優雅に聞こえるが、実際には300人のドタバタ移動の旅だ。それでもきっと、気心知れた仲間との旅は楽しかったに違いない。一番の仲良しさんと同じ班だし、宿泊の部屋割りは、その仲良しさん以外のメンバーはみんな部活の仲間だ。パーフェクトじゃないの。

さて、今夜の食事をどうするか、とムスメに相談したら、「京都にはラーメン屋がなかった」と言うので、近所のラーメン屋に行った。ラーメンを待つ間、修学旅行のあれこれを話してくれた。「それでね、寝るときに〇〇ちゃんが寒い寒いって言うから、二人で一つの布団に入って、二人ぶんの掛け布団をかけてさー、あんみつ姫みたいになっとったとよ〜。あっはっは」と話すムスメ。おいおい。君はサラッと「あんみつ姫みたいに」と言ったが、昭和前期のギャグ漫画の一節を引き合いに出して、笑ってくれる人は少ないぞ。昭和ひと桁生まれのおじいちゃんがくれた漫画本を ケラケラと笑いながら読んでいる、君のようなお友だちは他におるまい。気をつけたまえ。

ところで、名物をテーマにした俳句だが、今回は「博多ラーメン」。
博多ラーメンは基本的にとんこつスープで、麺はストレートの細麺。トッピングに焼き豚やネギ、きくらげの他、白ごまと紅生姜を乗せるのが特徴。さらに、「替え玉」といって、麺だけ追加するシステムがある。

「替え玉」は、茹でた麺オンリーが出される。それを自分が食べているラーメンどんぶりに投入する。麺の硬さはオーダーできる。しかし基本的にスープの追加はできない。だから、スープをなみなみと残しておかねばならない。

ということは、替え玉はラーメンを食べ始めてから「さてどうするか」と考えていたのでは遅い。「ラーメン!」と注文する前から替え玉をするかどうか、うっすらと決めておく。一杯目のラーメンを食べ終わる直前、お腹の空き具合を再確認し、すかさず「替え玉!」と頼む。そして、スープが熱さを保った状態のところに麺を投入しなければ美味しくない。その流れを崩さずに完遂するためには、あらかじめ店に入る前から「替え玉」の心づもりをしておかなければならないのだ。

基本的にラーメンはのんびり食べていてはダメだ。麺が伸びきってしまうし、スープも冷める。そのタイミングの計り方はちょっと難しいが、こちらに旅行に来た際にはぜひ試してみてほしい。

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