見出し画像

うめがえ

太宰府天満宮御用達と噂に聞いた、「小山田茶店」の梅ヶ枝餅を食べた。
わたしが聞いた話では、正式なおもてなしとして供されるのは、この餅を二段に重ね、その間にあんこを挟むというものだった。この厚みが二段重なって、しかもあんこが挟まっていると言うのは、すごいカロリーだし、食べ応えもあるだろう。完食は無理かも。と思って画像を探していたら、あった。
キャプションには「ペロリと食べきれる美味しさ」とある。名前を「夫婦餅」というらしい。(画像はこちらからお借りしました。https://www.city.dazaifu.lg.jp/site/kanko/16906.html

ほほう。これか。

さて、焼きたての梅ヶ枝餅は、外側はサクッとした歯触りだが、熱々なのであんこまで辿り着くほど大きく噛めない。ちびちびと周囲を攻めながら、アチアチと言いながら、何度も手を持ち変える。ガブリと食べるのは冷めてからでないと危険だ。口中をヤケドする。

わたしは歴史の授業が嫌いだった。覚えられない年号と、読み方がわからない歴史上の人物。似たような名前の親子。暗記が苦手だし、遠い昔のことなんぞ、教科書に載っている絵を見ただけではさっぱりわからんわ。と、思っていた。

でも最近、その時代に「生きていた人」を感じようと思う気持ちが出てきた。そしたら歴史が面白くなってきた。

菅原道真に餅を差し入れしたという浄妙尼のことを考える。道真公は、都を追われ、仕事も奪われ、人間らしい生活もままならなかったのでは、という記述もある。浄妙尼と何を話して、何を見て、何を考えたのか。

そんなことを考えながら熱々の梅ヶ枝餅を食べる。でも、本当は餅じゃなくて、麹飯だったという話だ。あんこの詰まった餅なんか、後世の商売人が考えた全く別物じゃないかと思うが、それはまあ美味しいからいいか。




サポートいただけたら、次の記事のネタ探しに使わせていただきます。