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どうして

鳥を飼ったことなどないのに、夢の中でわたしは鳥の世話をしていた。たぶん、あれはインコ。

わたしが餌も水も与えずに、押し入れみたいなところに置き去りにしてしまって、4〜5日が経っていた。そんな残酷なことをしていて、心は穏やかではないが、胸の内では「もう死んでしまっただろう」と思っている。非情な自分が恐ろしい、と思う反面、でもやっぱり無理だったんだもん、と思っている。

だれかが来て、「あの鳥は?」と聞いてくる。おそるおそる「実は、放置してしまってて」と打ち明けると、「それは大変」とドアを開けて入ってくる。押入れのような場所に分け入って、積み重なった荷物を崩していくと、ヨレヨレの鳥が出てきた。首を傾げて、じっとこっちを見ている。ごめんよわたしが悪かったよ、と思ったが、餌も寝床も用意できていない。
「とにかく、水持ってきて」と言われて、慌ててコップに入れた水を持ってきた。鳥は、ちょっと重そうに頭の向きを変えて、コップの中にくちばしを入れた。どうやら少しずつ水を飲んでいるようで、毛並み(?)の色つやがよくなってきた。しかし、目が死んでいる。そしてわたしを恨むような目つきで、じっとこちらを見ている。恨まれても、そりゃ仕方ない。でも生きていてくれてよかった。

次は何か餌を探さなくては。そうだ、台所にアワだったかキビだったか、雑穀が少しあったような気がする。あれをお湯でふやかしてみたらどうだ?
そう思って台所へ行こうとしたところで、目が覚めた。

罪悪感が充満した心で、仕事場へ向かう。あの鳥が無事に生き抜いてくれますようにと祈る。ただし、どうかわたしの知らないところで。


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