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PICK

inktober2021  10日目のお題は「PICK」。選ぶ、ついばむ、摘む…

掃除とは、髪の毛との戦いである。掃き掃除も、拭き掃除も、とにかく床に落ちた髪の毛が邪魔だ。たいていは掃除機でガーッと吸い込むのだが、掃除機を出すほどでもない場合、ホウキを使う。

髪の毛は静電気でプラスチック素材のホウキに張り付くこともあるし、風であらぬ方向へふわふわと移動して思うようにチリトリに収まらないこともある。イラッとする。

実はわが家では、床に落ちた髪の毛を一番よく拾っているのはオットである。わたしは掃除機でやっつけるが、オットは床に落ちた髪の毛を一本ずつ摘んで、ゴミ箱に入れている。もちろん、黙ってはいない。「まーた髪の毛が落ちとる!自分でちゃんとしろ!」とムスメにぶつぶつ言いながら拾う。

ムスメは髪の毛が長い。頭頂から毛先までは70センチはある。人は1日に100本以上の髪が抜けるらしいので、ムスメの長い髪はそこら中に落ちている。わたしやオットの髪の毛も落ちているはずなのだが、ムスメの長い髪に比べたら、全然目立たない。

毎日、床に落ちた髪の毛を拾いながらブツブツ言うオットは、なぜ掃除機をかけないんだろうか。掃除機を出すのが面倒なのか。それとも、掃除機のコードを引き出してコンセントに繋ぐのが面倒なのか。それが面倒なら、わたしが掃除機をかけるのを待てばいいのに。自分の指で一本ずつ摘む手間は面倒ではないのか。

なんにせよ、わが家で一番たくさん髪の毛を落としているのはムスメで、一番たくさん髪の毛を摘み上げているのはオットである。


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