見出し画像

初めて食べるもの

昨日は家族で閉店間際の天神ビブレに繰り出し、ほとんどの店舗に商品がなくなっているのを確認したり、30〜90%オフのPOPを見て「なんでわたしはお金を持っていないのだろう」と悔しがったりして、ぐるぐる歩き回った。

さて、お腹が減って何か食べようと思ったが、ビブレの飲食店はどこもいっぱいで、お隣の天神コアでオムレツ専門店「卵と私」に入った。「スフレオムリゾット」を注文したら、こんなのがきた。ふわふわ〜。ぽよぽよ〜。

画像1

上に乗っているスフレオムレツは厚みが10㎝くらいあって、スプーンを差し込むと、ふわとろのスフレ状になった卵からブワッと湯気が上がった。
おそらくこれがわたしの、天神コアで外食する最後の思い出だ。その食事が、初めて食べるものでしめくくられるのは、なんだか愉快だなと思った。

この頃、外食するときに自分が歳を取ったなと痛感する。まず「量」が入らない。しかし、残すのはもったいないので最後は無理に食べる。で、太る。
次に「味」について「思っていたのと違う」と感じるようになった。これは、経験上このような材料でこのような形状であればこうなる、というデータに基づくもので、大抵は外れない。そこに安心感を持つのは年寄りの構図だと考えている。食べ慣れたものに安心するのは、以前の自分にはなかったものだ。以前は常に新しい何かを求めていて、自分の日常から離れたものほど食べてみたかった。とはいえ、その中から、「これは好き」「これは苦手」と選びとってきたものが現在の自分の味覚なのだから、悪いことではない。ただ歳を取った、というだけだ。

このスフレオムレツに関しては「想像通りの味」だった。一方で、添えられたスープが「思っていたのと違う味」で驚いた。一般的なコンソメスープのようだが、甘いのである。一口飲んで、思わず「甘っ。なんだかわからないけどこれ甘いわ」と言った。オットも一口飲んでみて「甘い。なんだか訳のわからない甘さだ」と言った。おそらく、15年も一緒に暮らしているので、味覚としての認識が似てきたのだろう。

さて、このスフレオムレツだが、クックパッドやYouTubeに、いくつかレシピが載っていた。必要な材料は、卵2個と塩ひとつまみとバター20g。
道具は泡立器、ボウル、フライパンがあればよい。すぐにでも挑戦してみたくなったが、残念ながらわが家には「フッ素加工」のフライパンがない。このツルッとした表面を焼き上げるのは、どうやら鉄のフライパンでは難しそうだ。フライパンを買ってきて作るとなると、ちょっとハードルが上がる。

そういえば、オットの実家には、フッ素加工のフライパンがある。今度帰省した時に、作ってみるか。
あの、フルフルと揺れる卵、スプーンを差し込むとブワッとでる湯気、ハフハフと口に運ぶと、シュワ〜っと溶けていく食感。よし、覚えておこう。

サポートいただけたら、次の記事のネタ探しに使わせていただきます。