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いらいら

気分転換とか、ストレス解消とか、やる気をなんとか起こそうとか、そういう時、わたしは食べてしまう。

気付くと30枚入りのチョコレート箱が空になっていたり、菓子パンを4つも食べていたり、カップラーメンをすすっていたり、体に悪そうなものばかりを選んでいる。口を動かすことでとりあえずなにかを紛らわそうとしているわけだが、これは喫煙や飲酒ときっと似ているのだと思う。結局のところ、悩みやイライラの種は解決するどころか、先延ばしになっているだけなのだ。

食べて起こる弊害は、体重の増加、虫歯の増加、お小遣いの減少くらいかなと思っていたのだが、歳をとるとそれだけでは収まらない。内臓にズバンと響く。肝臓、腎臓、膵臓、胃腸、そのうち心臓や肺臓にも影響がでるだろう。五臓六腑に糖質は大敵なのだ。

が。しかし。それを食べずにはおれない環境なのだ。気分転換に散歩したら?大声を出してみたら?だれかとお喋りしてみたら?と、思う。そのどれもが今この時、できないのだ。できないから食べてしまう。仕事をしながら、コソコソとチョコレートをマスクで隠しながらサッと口に運ぶ。家に仕事を持ち帰った時も同じだ。イライラしながらなにかを食べている。

でも実は先日、食べたくもないのに食べているんだな、と思った。食べたいわけではないのだ。カップ麺にお湯を注ぎながら、「別に食べたくないんだが」と思っていた。麺をすすりながら、「カップ麺ってこんな味だっけ?」と思っていた。そして食べ終わるころ、カップの底にスープの素が泥のようにたまっているのを発見した。かき混ぜることも忘れ、わたしはスープの上澄みだけをすすっていて、味もそっけもないカップ麺を食べたくもないのに食べていたのだ。気を紛らわすためだけに。

だとしたら、なんでもいいのではないか。豆腐でもきゅうりでも魚肉ソーセージでもナッツでもいいのだ。だが。それを職場で食べるのは難しい。コソコソと食べて、音が出ず、匂いもしないもの。体とお財布に負担が少ないものはないだろうか。

それにしても、高カカオポリフェノール70%以上のチョコレートは、すこし体によさそうだけれど、苦くて心が萎える。やっぱり、悪魔のように甘いものを欲してしまうのだった。

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