立ち位置

「民族的な感覚の違い」についての話を聞いた。学説ではなくて、個人の感想というか、考えだが、なるほどと思うので、メモする。

西洋文化圏のキリスト教の人が、胸の前で十字を切る仕草を映画などでよく見かける。
まず、タテのラインを先に描き、次に横。それは、「まず自分が中心にある」ことを示し、次にその周りの世界を意味しているそうだ。(宗教的な意味ではなく、民族のあり方として、シンボライズされた動き。あるいはこの話をしてくれた人の持つイメージ)つまり、個人は何者にも左右されることなく、すっくと立って、世界と対峙する。

アジア圏、特に日本の文字(漢字を含む)のほとんどは、ヨコの線を先に書き、それからタテの線を書く筆順になっている。それは「まず世界がある」ことを示し、そこに自分があることをタテのラインで示す。東洋的な考えとして、自分がそこにいることよりも、まず世界があって、その中に自分が溶け込むように存在する、という話だ。

こじつけのような気もしないではないが、知識としてではなく、イメージで伝わってくるこの感覚。なるほどと思わせる話だった。


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