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RAVEN

inktober2021 5日目。お題は「RAVEN」、カラスの中でも大型の「渡りガラス」や「アメリカガラス」のことを指すらしい。

わが家はカラスの通り道で、どこかの寝ぐらから、毎朝東の方へとカラスが群れで飛んでいく。そして夕方になると、今度は西の方へと戻っていく。毎日毎日、カラスを見ない日はない。移動の途中に餌を求めているのか、近所の電線や電柱に停まったり、地上をチョコチョコと歩いたりしている。そして、伝達事項なのかカアカアとうるさく鳴いている。

カラスは頭がいい、と言われている。わが家が借りている駐車場は、ちょうどカラスの通り道の真下にあり、フンを落とされて困る。だが、うちの車以外に、フンを落とされている車を見たことがない。必ず、狙ったようにうちの車に落としていく。狙っているんだろうな。

羽を落としていくこともある。時々、玄関先に真っ黒な羽が1本、落ちている。抜けたて、と言うのだろうか。さっきまで鳥の一部だった艶やかな黒いそれは、そのまま羽ペンに使えるのではないかと思うくらい、見ていてホレボレするくらいの完璧な形だ。だが、なにやらウイルスとかくっついていると怖いので、触らない。

そういえば、ムスメが小さい頃、オットの母がうちに長期滞在していた。ある日、カラスがガアガアとうるさいのでなんだろうかと庭に出たお義母さんは、「あら!あんた!大丈夫かね?」とフェンスに向かって声をかけていた。庭からわたしに向かって「何かと思ったら、カラスが来とる。具合が悪いんじゃろ。顔が真っ青やわ」と言った。え?カラスの顔が青い?

わたしも表に出て様子を見たら、フェンスに留まっているカラスが本当に具合悪そうにうつむいている。そして、げええ、と何かを吐き出した。周囲のカラスも、おい大丈夫か、どうしたのか、と声をかけているのか、カアカアとかガーガーとか、大騒ぎである。

あれ以来、そんなカラスに出会ったことはないのだが、確かに顔が青いと思った。さすが動物好きだな、とお義母さんを尊敬している。

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