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めまい

朝は吐き気で目が覚め、起き上がろうとしたらグラグラとめまいがする。「退院するのが早すぎたんだよ」とオットから言われたのだが、そんなのわたしが決めたわけじゃないし、今こうなったからって、また入院できるわけじゃない。

頭を振るとグラグラするから、そーっとそーっと動く。なるべく横になっていようと思うが、そうもいかない。たぶん、今、高い場所のフチに立ったら、確実に落ちる。ぐーらぐーらと床と天井が回るのを「気のせい」と思い直しながら、お茶碗を洗ったりして、モヤモヤと過ごしている。

朝から雨がポツポツ降り始めたのだが、昼から大雨になった。低気圧のせいかしら。

昨日、なるべく横になっていようと思って、ゴロゴロしながら「愛しのアイリーン」という映画を見た。だって、タイトルが可愛いんだもの。まさか。これ今日見る映画じゃなかったよ、という内容、展開、結末。しかし、乗りかかった船というか、一度出発したらゴールまで降りることができないジェットコースターのように、振り回され、怖い怖い怖いと思いながら身構えたのち、やっぱり叩き落とされ、ありえない角度でカーブし、すごいGに耐えつつもそのスピード感に息もできない。安田顕、木野花、恐ろしい。それにしても河井青葉、伊勢谷友介って、あんなにグッドルッキングなのに、なんでダメな人の役が多いんだろう。日本の過疎、フィリピーナとの結婚ビジネス、シングルマザー、田舎ならではの人の関係…映画を見ながら、頭の中で、考えるな考えるな考えるな、と誰かの声がして、考えろ考えろ考えろ、と自分の声がする。冗談抜きで目が回った。…だからめまいがしているのか?

その重さに耐えかねて今日、「新しい靴を買わなくちゃ」を見た。映画の冒頭で、名前が出る。中山美穂、向井理、桐谷美玲、綾野剛。そして脚本・監督が北川悦吏子。ふーん。あんまり期待してなかった。北川悦吏子は一世を風靡した脚本家で、彼女の恋愛ドラマにキュンとさせられた人が多い。だから、そういうセリフの応酬で、しかも舞台はパリだし、美男美女のありそうな話だろうと、勝手に思い込んでいた。そしたら、ドキュメンタリーみたいな自然さで、中山美穂が演技をしていた。これまで見たことのなかった、本当の中山美穂がコレなんじゃないか、と思えた。向井理も、全部アドリブかと思うくらい自然だった。感心した。プロデューサーが岩井俊二だった。また、やられた。でも、こういう予定調和というか「こうなってほしい」感じで終わる映画にはホッとする部分もある。

明日から、肩のリハビリが始まる。こわいな。

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