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生き物が

台風10号の備えとして、わたしは庭のレモングラスを全部刈った。強風で根こそぎ飛ばされるかもしれないので、根元からバッサリと。それはそれはいい香りがして、心は一瞬癒されたものの、刈った葉は、洗ってきちんと清潔に始末しなければならない。面倒くさい。

とりあえず、両手で掴んでも余るほどの束を風呂場に持ち込んだ。フタの上に乗せて、シャワーで一気に洗おう。砂埃や外で付着したモノをきれいに洗い流し、さらに台所で丁寧に洗う。それを乾かしたのち、ハサミで10センチくらいに刻んでハーブティとして使う。いささか長めなのは、ティーポット用ではなく、ヤカンにごっそり入れて、2リットルくらいまとめて作るのだ。ヤカンの半分は、空きペットボトルに半分くらい入れて、冷凍庫で冷やし固める。飲みたくなったら、そこに凍らせていないレモングラスティーを注ぐ。こうすると、凍ったままなかなか飲めずにイライラすることもないし、かなり冷たさが続くので、夏は重宝する。麦茶も同じようにする。

さて、わたしがレモングラスを大量に洗った後、ムスメがシャワーを浴びようと風呂場に行った。「おかーさーん!バッタがー!」と叫ぶので、行ってみたら、小さなショウリョウバッタが風呂場の壁にしがみついている。どうしようかと思ったが、とにかく面倒くさくて「そのまま置いといて」と放置してしまった。

その夜、入浴中に思い出したのだが、バッタは見当たらないし、きっと逃げたのだろうと思った。ところが今朝、洗濯機に風呂の残り湯を使おうとしたら、ホースの上にバッタがいた。よくぞ生き伸びた、えらい。わたしは洗面器にバッタを入れ、庭に持ち出して、逃した。

台所は気づくとアリが行列を作っていた。台風だから逃げ込んできたのだろうか。家の中に色々な虫が入ってきている。これが田舎の一軒家だったらわからんでもないが、うちの中にまで逃げ込んで来なくても…。一方、猫は相変わらず庭をトイレとして活用しており、台風明けの今朝は、いつにも増して高い砂山ができていた。

今朝、廊下の壁に茶色のバッタがくっついていた。もう驚かない。あとでなんとかしよう、と思っていたら、そのまま忘れてしまって、家に帰った時にはどこにもいなかった。

家の中で生き物がかくれんぼしているみたいだ。そこにいるわけのない虫が家の中にいる。けっこうな一大事のはずなのに、わたしは相変わらず眠くてもうどうだっていい、という気持ちだ。

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