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【離活】9.離婚前に住宅ローンの前倒し返済してはいけない

財産分与の対象となる財産は、原則として夫婦が結婚期間中に協力して形成した財産です。
別居が先の場合は、別居時が財産分与の基準時となります。これは、夫婦の経済的な協力関係が一般的に失われた時点と考えられるからです。

わたしは家出したあと、財産分与住宅ローンを前倒し返済した場合は、家出をした後なのだから当然前倒し返済額相当は夫の特有財産になるだろうと考えて、返済していました。
相手にとっても、住宅ローン残高が減るので、共有財産分が増えるのですし、金利分がお互いの利益と思っていました。(共有財産分=売却価格−住宅ローン残高)

ところが、実際に調停で相手の弁護士が言うには、私が前倒し返済したのは、私の勝手な都合であって、前倒し返済分は特有財産には認められないというのです。
全く理解できないのですが、住宅ローンは私の債務であって、仮に全額私が家出後に返済したとしても相手には関係ないことで、財産としては、あくまでも売却価格から住宅ローンの残債残分を控除して物が共有財産なんだという理屈のようです。
つまり、夫だけが住宅ローンの契約者の場合は下手に前倒し返済するのは自分の財産を減らすだけです。
私の弁護士に強固に対抗してもらおうとしたのですが、相手はいい分が通らないならば調停に合意しないで婚姻費用をもらい続ければよいという発想なので、こちらは分が悪いのです。
調停不調として裁判に移行し、こちらの主張で争うか、離婚裁判に必要な時間やその間の婚姻費用の支払いを回避するために相手の言い分を飲んで調停で合意して離婚するかです。
結論としては、一刻も早く離婚して精神的な安寧を得ることを優先するため、相手の言い分を承認しました。
約500万円の前倒し返済は、2等分されて、私に取っては前倒し返済しなかったときに比べて250万円損する事になりました。
自分の思い込みでの普通と実際の法的な解釈での違いは意外な所にあります。離婚調停や裁判中の自身の財産に関する対処は、くれぐれも、弁護士に相談して確認した上で行うのが安心です。

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