見出し画像

有機化学攻略【反応マップは、goalをイシキせよ!】-『染料』編-

さぁ。早速、やっていこうか。

今回扱うのは、

【p-ヒドロキシアゾベンゼン】

という、物質を合成するルートだ。

もう、

名前からして、イカつすぎて、
ラスボス感、ハンパない

のが、そう、

【p-ヒドロキシアゾベンゼン】

↑コイツ!!↑

だ。

とりあえず
ムズ!イヤ!ってキミの脳みそが拒絶反応を起こしそうになったときは、

3回、言う.

これでまず、拒絶反応を、抑え込むことができる。

♪パラ ヒドロキシ アゾ ベンゼン
♪パラ ヒドロキシ アゾ ベンゼン
♪パラ ヒドロキシ アゾ ベンゼン

つまり、分解してみると、

p-ヒドロキシ  (ジ)アゾ  (ジ)ベンゼン

と視るコトができる。

※「ジ」は、名称では、省略されていると考えればよい. 

(オレは、こういうとき、
『勝手に省略すんなや!逆に覚えにくいわ!』
と本心としては、思いまくるが、心の中で、ツッコミまくってひと息ついたら、
『ふぅ。キミの名前は「p-ヒドロキシ (ジ)アゾ (ジ)ベンゼン君」だね。よろしく。(その代わり、覚えてやるから、本番は有機満点とらせろよ?な?)』
と、交換条件を提示しつつ、サクッと覚えて次にいきます.)

ここで、

『アゾ』は『N(窒素)』のこと。

なので、

『 ー N = N ー 』は『ジアゾ(2個のN)』

となる。

さて、コイツ(p-ヒドロキシアゾベンゼン君)は、

【なぜ、そんなに、重要か?】

についてだが、それは、

【イイカンジの色をしている】

からだ。だから、彼(p-ヒドロキシアゾベンゼン君)は、

用途は【★染料】

として、用いられる。(染料:せんりょう)

色は【★橙赤色】(🟠🔴)

↑こんな色だ。(ま、オレンジ色🍊)

でも、入試では、

【★橙赤色】(とうせきしょく)

と言えるようにしておこう。

ところで、そこのキミ。

染料って、そんな大事?

とか、そんな野暮なコト、思ってないかい?

『染料』がない世界とは、
『色』が無い世界だ。
そんな世界は、美しくないよね?

というコトで、染料は、めちゃくちゃ大切なんだ。


さて、彼(p-ヒドロキシアゾベンゼン君)をつくるには、どうすればいいか?

その『ルート(合成経路)』は、

【★染料】の合成ルート

こうだ。

初見は、なんでもムズかしく見えるものだから、

まずは、『ジブンなりに、ある程度、こういうことかな?』とひと通り、書き写してみる

ここから、始めよう。

(ひと通り、ザーッと、最後まで、みてみよう)

どうだい?
初見だと、すぐにはスッと、入ってこないね。

暗記するには、
【反復回数】
【時間をかける】

ということが、どうしても、必要になる。

ただ、【💎反応マップを攻略するコツ】は、やはり、

【💎Goalイシキ】

だ。

より、正確に言うと、

【スタート】と【Goal】

を強くイシキして、覚えようとするコト。

さらに、『上級テクニック』は、

【スタート】と【Goal】が“遠い”場合には、

あえて【中間ゴール】を設定する。

そして、

【スタート】➡︎【中間ゴール】➡︎【Goal】

と、おおざっぱに、捉える。

そして、
そのあと「細かな詰め」を、する。


およそ、このようなやり方で、知識を入れるのがよい。


具体的に、アドバイスをしよう。

今回のケースでは、

【スタート】 ベンゼン
⬇︎
【中間ゴール】 アニリン
⬇︎
【Goal】 p-ヒドロキシアゾベンゼン

という風に、おおざっぱに、捉えるとイイ。


『構造式』でみてみよう。

【スタート】 ベンゼン

⬇︎

【中間ゴール】 アニリン

⬇︎

【Goal】 p-ヒドロキシアゾベンゼン


こういう流れだ。

さぁ、これを、キミは

『どう、暗記するかい?』
『どう、攻略するかい?』

一度、このゲームを、一緒にやってみよう。

💡アイデア①💡
【丸暗記】なんだから、
力技でゴリゴリやる

たしかに。結局、【暗記】だ、というハナシには、なる。

が、それは、

「工夫をする意味がない」
ということにはならない

だよね?

さぁ、工夫することは、諦めてはいけない。

よくみてみると、

   ベンゼン
➡︎ アニリン
➡︎ p-ヒドロキシアゾベンゼン

と進んでいくにつれて、

【N(窒素)】が、1個ずつ、増えている

ここが、ポイントだ。


もう一度、構造式を、眺めてごらん。


【N(窒素)】が、1個ずつ、増えている

のは、確認できたかい?

さぁ、そこを、掘り下げよう。

ここで、

【p-ヒドロキシアゾベンゼン】
が『染料(橙赤色)』であるのは、
偶然?それとも、必然?

その答えは、

必然

なんだね。

発見の経緯は、偶然であったとしても、

『染料(つまり、色がある)』
であるのは、
【構造上の特徴】

に関係があり、必然なんだね。

どういう【構造上の特徴】が、
『色』に関係あるか?

それは、

【“2個”のベンゼン環が
『連結』された構造】

なんだ。

しかし、
「ベンゼン環」と「ベンゼン環」を
直接ガチャンと連結させることは、
実は、容易ではない

んだね。

たとえば、

こんな風に「ベンゼン環」と「ベンゼン環」を直接ガッチャンコ(連結)させるのは、容易ではないんだね。

そこで、どうするか?

こんな風にやると、【連結】できるんだ。

つまり、
「ベンゼン環」と「ベンゼン環」
の間に
【2個のN (-N=N-) 】
を介してやると
『ガッチャンコ連結』できる

んだね。

つまり、

【2個のN (-N=N-) 】は
まるで
【仲人(なこうど)】
のような役割をするんだ。

※仲人=「人」と「人」の間をつなぐ人

こうして、

「ベンゼン環」と「ベンゼン環」
を連結させる反応を
『★カップリング反応』

という。(ベンゼンとベンゼンのカップルに、見立てている)

でも、そのためには、

【2個のN (-N=N-) 】

が必要なんだね。

だから、この反応を、ゴールまで完走するためには、

フツーの(タダの)ベンゼン

いかにして【2個のN】を
導入させることができるか?

がキーとなるんだね。

そう思ってから、もう一度、今回のルートを眺めてみると、

⬇︎

⬇︎


たしかに、

はじめは「フツーのベンゼン」であったのに、

いつのまにか、【Nが1個ひっついて】

最後には【Nが2個ひっついていて、そのおかげで、ベンゼン環のカップルが、連結されている】

という、大きな流れを、感じられるハズだ。

だから、この反応のルートを覚えるときには、

「細かなコト」に気を取られすぎずに、

大きなイシキとしては

【お、Nが1個ひっついたぞ。いいぞー】

【お??今、2個めのNがひっついた!
いいぞーー】

という風に、

💎【Nの動き】に着眼

しながら、まずは、大きな流れを捉えるようにするのがよい。

さぁ、最後に。

【2個めのNが導入される瞬間】

をみてみよう。

その反応を、

【★ジアゾ化】

というんだ。

【2個めのNが導入される瞬間】
『★ジアゾ化』


これが、『★ジアゾ化』の瞬間だ。

ポイントは、

このとき、《反応試薬(=反応させるときに加える物質)》として、

亜硝酸ナトリウム NaNO₂
塩酸 HCl(aq)
※5℃以下の条件下(氷で冷やす)

を使うワケだが、ビビって、臆して、拒絶反応を起こしては、ダメだ。

よくみてみ?
亜硝酸ナトリウム?NaNO₂?
なんも、ムズくないぞ。
【N(窒素)】おるやろ?

Na【N】O₂

だって、今、
【2個めのN】を導入したいんだろ?
だから、【Nを含んでるヤツ】を
試薬に使うのは、ごくごく、自然だ。
ジアゾ化とは、ただ、それだけだ。

いいかい?

『ジアゾ化ってなにーー』
『意味わかんなーーい』
『ムズいーー』

、、いや、んなコトないから。

『ジアゾ化ってなにーー』
➡︎ 2個めのNを導入する反応やで?

『意味わかんなーーい』
➡︎ 意味、とか考えてもしゃーないで?
強いていうならば、
【2個のN】さえ導入できれば、そいつらが『仲人(なこうど)』の役割をして、【ベンゼン環のカップル】をつくることができるんやで。『ベンゼン環のカップル』をつくることができれば、『それは染料』になるんやで。
それが、ジアゾ化の意味、というよりは、意義だ!

『ムズいーー』
➡︎ ムズい、の定義はなんだ?
「理解するのが、真に難しいコト」なんて、ほぼ、存在しない。
「キミのムズい」は、「まだ覚えてない。慣れてない。だから、馴染みがない」だけじゃないか?
世の中には「公◯城 ◯博」という名前も存在する。それは、ムズい名前か?否。
3回言え。3回書いてみろ。そのときにはもう、ムズい感覚なんて、うすれてる。

結論。
繰り返せ。
慣れろ。

さぁ、いってらっしゃい🚀☀️

[補足Lecture]

●『混酸』とは?
「濃硝酸 HNO₃ と 濃硫酸 H₂SO₄ の混合物」のこと。このとき起こる反応が【ニトロ化】。
※「ーNO₂ (ニトロ基)」が導入される反応.
※このとき、「濃硝酸 HNO₃」は“反応する”が、「濃硫酸 H₂SO₄」は“反応には直接関与しない”。つまり、[触媒]の働き。

●『還元』について
「ニトロベンゼン → アニリン」を合成するためには、【還元】反応を行う。
そのとき、『水素 H₂』を使うと、アニリンまで、一発でイケる。
が、多くのケース(実験室で行う実験はコレ!)では、

スズ Sn
塩酸 HCl(aq)

を加える。

このとき、きっと、「は?スズ?キミダレ?なんで来たの??」という拒絶反応が出そうになるが、

拒絶反応は、抑えこめ!
3回言え!
♪スズ えんさん
♪スズ えんさん
♪スズ えんさん

さぁ。落ち着いたかい?
なら、ご褒美に、少しだけ、Lectureしてやろう。

いま、キミは、【還元】をしたいんだ。
なら、必要なのは『何』だ?
それは、
もちろん『還元剤』だ。

だから
『スズ Sn』=『金属(単体) = 還元剤』
を使う。

だから
『水素 H₂』=『還元剤』
でもイケる。

塩酸は!?
なんで加えるの!?

落ち着け。
そもそも、意味なんてない世界なんだ。
意味を求めすぎた先は、
ジゴクかもしれないぞ?

まず、キミがやるべきは、
『繰り返す。慣れる。
とりあえず答えを言える。書ける。
でも、ちょいちょい工夫もする』

もう、それで、このエリアは、
合格レベルだ。
過去問なりで、確かめろ。

それでもまだ、飽きたりないなら、
先を追い求めればイイ。
意味を追求してもイイ。

でも、きっと、そのときには、
たぶん、キミ、もう満足してるよ?

GOOD LUCK!!!👍✨✨✨

あ、ちなみに。

あんまり、『染料』合成に熱意をかけすぎて、
アツくなりすぎると(5℃以上)、
フェノっちまうぜ?😎🔥

ジアゾ君
熱しすぎると
フェノールへ


※ちなみに、このルートには、まだまだ掘り下げポイントは、山ほどあります.


『反応マップマスター、いや、工夫マスター』JOE

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?