小声で笑った効果

患者さんのAさんは「わたしには できません…」「わたしには 無理です…」と、よく言われます。

スタッフが Aさんのケアの中で「〇〇をしてみたら、どうですか?」と勧めた時や、レクリエーションや作業療法などを勧めた時に、よく言われます。

ですが、Aさんは決して「やりたくないです」とは言われません。

そんなAさんに、わたしは笑いヨガに誘ってみました。

ちょうど他の患者さんが、わたしに「時間があったら、笑いヨガをしてほしいです」と言われていたので、夕方の空いた時間で参加希望者をつのっていました。

Aさんは自室のベッドで寝転がっていたので「Aさんもしませんか?」と声をかけました。

Aさんは「わたしには無理です」と返事をされたので、わたしは「少しだけ、ここでしてみませんか?」とAさんに笑いヨガの方法を伝えました。

Aさんにとって、いきなり笑うことはハードルが高いので「ハハハと言うだけでもいいですよ」と伝えました。

するとAさんは小声で「ハハハ」と言いました。

それを見ていた他の患者さんが「Aさんできてるよ」と、声をかけてくれました。

Aさんは「そうかな…」と一言でしたが、表情はなんとなく和らいでいました。

他の患者さんも「Aさん。やろうやろう」と声をかけてくれて、Aさんは笑いヨガに参加しました。

わたしが笑いヨガをするときは、グラウンドでしています。

外なので、距離をあけれるから、感染予防の意味もあるのですが、参加者が思いっきり大きい声で笑えるからです。

病棟内だと、静かな環境を望んでいる患者さんもいるため、大きな声では笑えないので、笑いヨガをするにはグラウンドはとてもいい場所です。

話を戻しまして…

グラウンドでの数名の笑いヨガにAさんは小声ながらも参加されました。

終わってからAさんに感想をきいたら「できて、よかったです」と小声で穏やかな表情でした。

他の患者さんも参加しやすい雰囲気をつくってくれたので、Aさんも無理なく参加することができました。

今日のような体験が、Aさんの自信につながればいいなと思います。

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