笑顔の相互作用

患者さんのAさんは わたしの顔を見ると、よく手拍子をされます。手拍子といっても、音がしないように手のひらを当てない拍手です。

Aさんは、わたしの反応を待っているかのように、わたしの顔を見ながら手拍子をします。

ぱんぱん  ぱんぱんぱん  

ぱんぱん  ぱんぱんぱん  

Aさんは、笑いヨガのリズムの手拍子をします。

わたしはAさんとはグラウンドで、よく笑いヨガをしています。わたしが患者さんに、笑いヨガの任意参加の希望をつのったときには、Aさんは必ず参加されています。

そんなAさんはわたしを見ながら、手拍子を続けて「ほっ ほっ ははは」と小声で笑いだします。

Aさんは周りのひとのことを考えて、廊下やDルームでは小声で笑って、拍手をします。

わたしも同じように手拍子をしながら、小声で笑います。

すると、他の数名の患者さんも、同じように小さく手拍子をしながら、小声で笑いはじめます。

そして、きりのいいところで「やったー やったー いえーい」と、みんなで小声で万歳をして終わります。

わずか2~3分の出来事ですが、その場が、ほんわかした空気になります。Aさんも他の患者さんも、ご満悦な表情になります。

Aさんの普段は、いろんなことが気になるみたいで、常に忙しそうな感じがしています。ですが、笑いヨガをしているときは、落ち着いてゆっくりとした動作をしています。

Aさん自身も何らかの自覚があるから、わたしを見たら笑いヨガの手拍子をされるのだと思います。

Aさんが わたしや周りの患者さんを受け入れていて、わたしや他の患者さんが Aさんを受け入れていることで、みんなの笑う意欲を高めているのかなと思います。

明日も笑って過ごしたいです。

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