世の中が変わった半年が終わる2020年6月30日に思うこと。

別に何が変わるわけではないのだけれど、この数週間今日がくるのを待ちわびていました。
この半年が早く終わって欲しくて。
早く新しい何かが始まって欲しくて。
その区切りが6月30日のような気がしていたから。

半年前の1月1日。
新年にわくわくしながら立てた目標も、1年の計画もなにもかも吹っ飛ぶくらいの出来事が起きるなんて考えもしていなかったし、私は「コロナ」といウィルスの存在すら知りませんでした。

でもこの人の目に見えないウィルスは世界を変えてしまった。
もう以前のような毎日には戻れないかもしれないと人々に思わせてしまうほどに。

残念なことに、私は近い将来歴史の教科書に載るであろうこの出来事の始まりを、あまりはっきり覚えていないのです。
ただ武漢という中国の町でなにか疫病のようなものが流行しているらしいということをニュースか何かで見たくらいの事だったと思います。

その頃はまだ難波から心斎橋のあたりは、どこの国かわからないくらい中国人観光客がたくさんいたし、春節に向けて国をあげてどうぞ来てくださいのスタンスだったので、そんなに怖いものではないのかもというくらいの認識で。

中国でどんどん感染者が広がっていき、2月に入ってダイヤモンド・プリンセス号のニュースが飛び込んできて、対岸の火事ではないかもしれないという意識に変わったものの
「インフルエンザの方が死亡率も高いんでしょう?」
とまだまだそこまでの警戒心もない状態でした。

私の仕事も2月は遠方からの生徒さんがキャンセルされたくらいで、ほとんどの方は予定通りレッスンも参加してくださっていたし、マスクや換気などに気をつけるようになってはいたものの、出張レッスンもイベントもまだなんとかできていました。
ただ、後半になればなるほど事態は悪くなってきて、とうとう3月に入るとレッスンのキャンセルも相次ぎ、イベントは中止にせざるをえなくなりどんどん動けなくなりました。

そして4月、緊急事態宣言からの自粛生活に突入。
そこからほぼ3ヶ月、2011年に独立してから初めて売り上げ0になりました。
学校も休みになって、家族全員が朝から晩までずっと家にいる生活。
別に家事が嫌いというわけではないけれど、外に出ることもままならず、仕事もできない毎日がこんなに精神的に辛いものだとは思いもしませんでした。

特に経済的な不安は身体も心も疲弊させるので、どんどん悪いスパイラルに入っていったような気がします。
ニュースは毎日朝から晩までコロナの事ばかり。
実際に身近な人が入院されたという話も入ってきたし、収入が無くなって倒産したとか自殺された方のニュースも多くなって、余計に焦る気持ちになったし不安が膨らみました。

それでも4月末まではなんとか頑張って、
新しいことをやっていこう!
今の中で最善を尽くそう!!
と歯を食いしばっていました。
でも5月に入ってそこに力を注げなくなってしまいました。
 
なぜか。
国や府の助けを受けるためにやらないといけないことがあったからです。
それは「決算」。
去年の5月に法人化したので、それ以前は個人事業主。
前年度の法人税の確定申告書はありません。
そして決算月は4月。
もう急いで確定申告を済ませないと、何にも申請できないということがわかったんです。
ただもう2ヶ月収入がないような状態で、税理士さんにお願いすることもできず自力で色々勉強しながら決算書を作りました。
一刻も早くしないとうちの経済が緊急事態宣言だったので(笑)それに毎日かかり切り。
最後は税務署で全部教えていただきながら申告を終えました。
(税務署って払おうとする人にはとても親切だということがよくわかりました(笑))
でもそうやっているうちに、取り残されている感じがどんどん強くなってきて、自分の能力のなさに嫌気がさしたり、自信がなくなっていったり、コロナに身体ではなく精神をむしばまれていくようなそんな感覚でした。

そんな状態の中で常に子ども達や年老いた母親をなんとか守っていかねばというか、自分がなんとかしないといけないという使命感みたいなものと、自分は倒れられないという緊張感で、なんか。
なんかね、本当にしんどかった。

5月はSNSを見ると誰かがライブ配信をしていたり、オンライン講座をしていて、それを見ると余計に気持ちが重くなるのでSNSからも離れていることが多くなりました。
今でもライブ配信はあまり見たくありません。
 
まあでも人間というものは結構強いもので、なんとかここまでたどり着きました。
自粛が解除になって6月に初めてレッスンができた時は心から嬉しかったです。
やる気は動かないと出てこない。
本当にその通りだと思います。

世界ではまだまだコロナは大流行していて、毎日たくさんの人が亡くなっているし、日本も2波、3波がいつどんな風にくるのかわからない。
でも半年の区切りを迎えた今日、ちょっと振り返ってきちんとまとめて箱にしまって、明日からまた歩き出したい。
そんな気持ちでこれを書きました。

全くどうなるかわからない未知のウィルスの前で、
私の仕事はあまりにも脆弱で価値がないものに思えました。
ちゃんと誇りを持ってやっていたのに、
誰かの役に立てると信じていたのに、
その気持ちが根底からぐらついてしまいました。
でもそれは地震などの大きな災害が起きても同じことだと思う。

この仕事を辞める気は全くなくて、
いやそれ以上になんとか死ぬまでやっていきたいと思っていて、
だからこそこの仕事の形もだけれど、
それを支えるためになにをしたらいいのか、
家族を守るために、
自分の将来を楽しいものにするために、
私の脳みそをガラッと変えることができた。
これがこの苦しい半年で手に入れたもの。

コロナに頭カチ割られて脳みそちゅーちゅー吸われた感じです。(笑)
空っぽになったところに新しい脳みそを充填完了。

さあ明日から7月。


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