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見たかったあの風景

私にはどうしても、どうしても見たい風景があった。
けれど、どうしても見ることができなかった。
10年以上頑張ったけど、結局見ることはできなかった。

それは、レーシングカート時代「トップを走らなければ見えない風景」だ。
レースというものは、何台も一斉にスタートする。
レース開始前、スターティンググリッドに何台ものマシンが並ぶ。
ポールポジションから見える風景は他車とはまったく違う。

そして、レースがスタートする。
私の目の前には何台ものマシンが走り、必死にそれに食らいついていった。
そう、目の前には何台ものマシンが。
しかし、トップを走る人には他のマシンが見えないのだ!
それは、いったいどんな風景なのだろうか?
雨の日のレースが難しいのは路面が滑るからじゃない。
前を走るマシンの水しぶきで前が見えなくなるからだ。
そう、特に雨の日は、トップを走るマシンから見える風景は、2位以下が見るものとまったく違うものになる。
カートで強くなりたかったのは、その風景が見てみたかったから。

50歳を越えた今でも、見たことがない風景がたくさんある。
例えば、武道館の特設ステージから見る客席の風景とかね。

バイクを買ったのは、バイクに乗らなくては見ることができない風景を見てみたかったから。
それは、車から見る風景や、自転車から見る風景とはきっと違うだろう。

見たことのない風景というと、旅行を思い浮かべるヒトが多いと思うけど、それだけじゃないよね。

残りの人生、私はどれほどの風景を見ることができるのだろうか?

トップにつかった写真はカート時代の私。
いい写真です。
進行方向を見ているし首も曲がっていない。
リアタイヤはちゃんとインリフト。
この走りが常にできていたら、もう少し早くなっていただろうなぁ。。。

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