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【読書おすすめ】Switch 遺伝子が目覚める瞬間(村上和雄)

遺伝子というと、固定されていて不可変なイメージがありますよね。でも、持っている遺伝子は単なる生命の設計図にすぎない。差異を作るのは何を生まれ持っているかじゃなくて、何がオンで何がオフになっているか。

人間とチンパンジーの遺伝子を比べると、平たく言えば、ヒトという種を決める特別の遺伝子は現時点では「ない」のだそうです。違うのは遺伝子情報の配列、3.9パーセントのみ。そこを精査すると、遺伝子の性質をオン(発現)オフ(休止)する働きのほうが、はるかに重要だと。

よく言われるのが「火事場の馬鹿力」危機に瀕した時に、オンになる遺伝子がある。またいわゆる障害を持って生まれた人が、常識外の才能を発揮する例もたくさんあります。本書にはたくさんの例が挙げられており、遺伝子学者としての見識とともに、やさしく理解できました。

オンオフに関わるのは、その時々の体の変化や、心の状態。つまり意識や環境がコントロールして、遺伝子の「ふるまい」を変えるのだそうです。

そう知ることができると、自分という生命の中に、オフのまま発現を待っている遺伝子がどのぐらいたくさんあるのだろう、と可能性を感じられました。

自分の心の持ちようや、日日の態度で、これまで活かしてこなかった遺伝子にスイッチが入ることを教えてもらえました。笑って生きよう、感謝して生きよう。


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