見出し画像

小学校受験の点図形と小学生の漢字

みなさま,ごきげんよう。
理科好きりかママです!

家庭教師をしている子が年長さんで小学校受験間近で。。。
投稿,久しぶりになります。

今日は,ひらがな,カタカナ,漢字など,小学校に入ってから
おそらくどのご家庭でも保護者が気になる「書き方」について。

その前に,幼児教室では必ず指導される点図形を,みなさまどう捉えていらっしゃいますか?

1.点図形って何ができればいいの?点図形の意味とは?

1-1 点図形,上手にできますか?

最近,実際の小学校入試ではお目見えしない教材の一つが
「点図形」ではないでしょうか?

でも,必ずやりますよね。

皆さまのお子さまは,点図形は得意ですか?

得意!という方は,きっと,お子さまがじっと座ることができ,
鉛筆も上手に持て,丁寧に線を引き,点の数の数え間違いなどもないのでしょう。

いや~うちの子はぜんぜんダメという場合,「どうだめなのか」がポイントになります。
なぜなら,点図形には,「きれいにマネして書く」以上に,小学校につながる深い意味があるからです。

1-2 点図形の「上手」って何だろう?

幼児教室の定期テストや模試で点図形が出題された場合,どういうものが高得点か。

それは,「きれいに,正確に写せているもの」です。
私が某教室の幼児テストの採点をしていたときも,採点基準は
「線がまっすぐである」「濃く書かれている」「線を引く点の数が正しい」「線が点の真ん中を通っている」「角がしっかりしている(はみださない含む)」
といったところです。

問題をつくる側は,定規をつかったり,illustratorの定規機能を使っているのに,,,幼児に求めるにはハイレベルすぎませんか!!

ほんとうに,この採点基準でいいのかしら??
きれいに丁寧に完ぺきに写すことを目標にしていいのかしら??

答えは,NOです!

ほとんどのご家庭で,点図形の点数が悪いと,「もっときれいに書きなさい!!!」と何度も点図形を書き直させていませんか?

んん・・・・・・ちょっと待って!!!

子どもが勉強嫌いになる要素も含む,この「点図形」

だから,点図形の指導は,もっと慎重になるべきなんです。

「点図形」で何ができればいいのか,何がわかればいいのか,もう一度考えてみませんか?

1-3 点図形の意味(目的)と見落としたくないこととは

点図形で必ず押さえたいポイントは
「点の数を正しく数える」
「点を結ぶ線を一気に引く」

ことです。

きれいに書かなくていいの?と思われていませんか?

はい。きれいに,丁寧に書ければ,それに越したことはありませんが,
どうしても丁寧に,きれいに書けない子もいます。

むしろ,ここで,「子どもの特性を見落とさない」でほしいです。

小学校受験で時々言われることですが,小学校受験は中学受験や高校受験と違って,点を取れば合格,何でもできれば合格というものではありません。

小学校受験は,どれだけペーパーが得意になっても,その後,入学してから「あと伸び力」が足りないと,合格には結びつきません。
小学校受験時点がその子の最高値ではなく,ある程度できて,磨けばもっと光る子が欲しいという私立・国立小学校の先生は多いです。
また,小学生は先生や生徒といった「環境」に最も影響を受けますので,小学校の先生方は,できる・できない以上に「その子らしさ」「その子を知ることができるか」を受験時に見ています。

なので,点図形の本来の目的も,「その子がどういう子か」を知るためです。

先に述べた,「数を正しく数えられる」「点を結ぶ線を一気に引く」は誰にでも求める力。
数を数えられることは算数の基礎です。
お手本(先生)の真似をしようとする力は,学びの第一歩です。
目的に向かって一気に進む,ふらふらしない力も大切です。

それ以外は・・・その子の特性を知るため。

なんでも丁寧に取り組むかどうか
勢いあまるくらい元気いっぱいか
気弱かな
はみ出しても気にしないかどうか
几帳面すぎるかどうか
早く丁寧に完ぺきにできる子かな      etc

なので,点図形ができるかできないかの前に,「その子の特性」を,この点図形を通して親が知っておくべきです。
その特性を知ることが,小学校,そして中学校選びにもつながります。

2.点図形と小学校の文字の学習

2-1 小学校の文字学習でのポイント

小学校は,ひらがなの学習から入ります。
学校にもよりますが,目安は1学期にひらがな,2学期からカタカナ,画数の少ない漢字と進んでいきます。

ひらがなのポイントは
「形(バランス)」 「止め,はね,はらい」 「書き順」

そして,カタカナと漢字が始まると,上記に加えて,「角」が入ってきます。「形」については,ひらがな以上に大切になります。また,書き順が正しくないと形がいびつになってしまう,正しく見えない漢字も出てきます。

2-2 小学校の文字学習がスムーズな子,スムーズではない子

小学校の先生方は,本当に字がきれいです。
ひらがなの直しは,先生が赤で直してくれた文字をなぞることですが,子どもによっては十回近く書き直し(なぞり直し)ます。

でも,できない子はできないんです。
幼稚園,保育園のときにひらがなをやっていたかやっていなかったかは,全く関係なく,きれいに書ける子と書けない子に分かれます。
(個人的には,幼稚園,保育園のときの筆圧では,きれいな字を書くことはできないので,無理に練習する必要はないと考えます。それよりも,点図形と○です!)

この「きれいに書けるか書けないか」「止め,はね,はらいが認識できるか,再現できるか」は,点図形につながってきます。特に,「止め,はね,はらい」「字のバランス」はその傾向が強いです。

点図形の試験で高得点がつくくらい,きれいに丁寧に早くできていた子は,文字の学習もスムーズに進みます。点図形同様,幼児のペーパーで○で答えるとき,その○を丁寧に丸くかけていた子,解答欄の大きさと〇の数から適切な大きさの○を考え書けていた子も,文字の学習はスムーズな傾向にあります。

一方,幼児のペーパーで,どうしても大きさが整ったきれいな○を解答欄に収められない。解答はあっているけれど,○の大きさがバラバラで点を引かれていた。点図形は間違っていないけれど勢い余る線できれいではない。
そうすると,小学校の文字の学習で躓きやすくなります。
親としては,「小学校1年生の最初で躓いたら大変!!なんとかしなくちゃ!!」と思うでしょう。何とかして,完ぺきにしてあげようと思うでしょう。でも,,,ちょっと待って!!!
これ,子どもの特性,性格なんです。

2-3 子どもの文字の学習で何を重視するか

幼児期の点図形や〇の書き方を見て子どもの特性を把握していれば,小学校以降の文字の学習でどこを重視するか,どこにゴールを定めるか,親としての関わり方が変わってきます。

子どもの中には,どうしてきれいに書かなくてはいけないのかわからないという子もいます。どうして自分が書いた○がきれいじゃないと言われるのかわからないという子もいます。

子どもに,「きれいに書きなさい」と言って,全員がきれいに書けるわけではありません。
子どもによっては,「きれいに書きなさい」と言っても書けず,「○はきちんとスタートとゴールをくっつけて」と言って,○が書けることもあります。
また,○が書けているなら「(いびつな○であっても)なんで,プリントみたいな(きれいな)丸じゃなければならないの?」と,そこにギモンを持つ子もいます。
そういう場合,小学校の文字の学習でも同じことが繰り返されます。
先生の文字はきれいになぞったとしても,自分が書くときは自由!
本人は,「字があっていればいいでしょ?」という感じで,「きれいに書く意味がわからない」と言ったり,止め,はね,はらいを指摘すると,「へーあったんだ!」と気づかない場合も。気づいていても,止め,はね,はらいを厳密に再現することに何の意味があるの?と思っている子も大勢います。

なので,ひらがなの学習で,とにかく「きれいに」とこだわりすぎると,
幼児期の「点図形」で「きれいに」とこだわりすぎると,
子どもは勉強嫌いになりかねません。

だって,「(形が)あっているのに,なんで,何回も書き直しさせるの?」と思っているのですから。。。

子どもが止め,はね,はらいの再現が苦手と気づいたら,書き順が違っていても「あっていればいいよ」とハードルを下げたり,止め,はね,はらいが多少甘くても多めに見たりする必要が出てきます。

2-4 漢字検定と中学受験

漢字検定を受験された方はわかると思いますが,筆順の問題が出ますし,止め,はね,はらいは厳しく見られます。また,欄の中にはみ出さずに書くことも重要視されます。

幼児期に点図形をやって,子どもの苦手を把握していたら,漢字検定必須の小学校を避けるなど,親が考えてもよいと思います。

事実,点図形やきれいな○が苦手で漢字検定を必須としている小学校に進学した子は,ものすごく苦労していました。

私も,息子の特性を見て,地元の公立小学校のように漢字検定必須の小学校は避けました。家でも,習字のときと書き順を間違うと書けない漢字のみ,筆順,止め,はね,はらいを指摘していますが,それ以外はほぼ注意していません。

ある方は,我が子には書き順や止め,はね,はらいを100%やらせるのは無理と判断し,そこを重視しない中学校を受験して成功したとおっしゃっていましたが,実はこれ,よく聞く話です。
中学校受験では,書き順,止め,はね,はらい,四則計算など,とにかく基礎を完ぺきにしないと,どこの中学校にも対応できないと考えていらっしゃる方も多いのですが,学校ごとの「個性」もありますので,そうとは言い切れません。もちろん,基礎基本は大切ですが,漢字検定対策のような勉強に時間を割きすぎて思考力を鍛えそびれれば,中学受験は難しくなります。

幼児教材は,ただできればいいということではありません。特に点図形,○の書き方は,子どもの特性が出るところです。

ぜひ,参考にして,子どもが生きやすい,楽しい学校生活が送れるように,親が導いていただければ幸いです。

今日もお読みくださりありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?