マニアックな心理学の視点から説明する、職場にいる苦手な人との付き合い方
職場に苦手な人っていませんか?
職場に苦手な人がいる。これっておおむね多くの人が経験したことあることだと思うんですよね。
今回よくご相談にのる人間関係におけるモヤモヤの解消方法をマニアックな心理学の視点で説明してみました。どなたかのご参考になれば嬉しいです。
人間共通の悩み
苦手な人がいる。合わないなと思う人がいる。どうも解せない相手がいる。
職場の悩みの大半って、仕事内容よりも職場の人間関係の悩みだったりしますよね。
特に日本においては古来から家族や仕事関係の付き合いが密で、人付き合いを大切にしている文化、本音と建前の文化なので、相手の本音が聞きづらく「どう接してよいかわからない」というミスコミュニケーションが起きると思います。
これは相手がわるい、自分が良いではなく、ミスコミュニケーションだったりします。つまり相手が大事にしている価値観と、自分が大事な価値観が合っていないことだったりするのです。
特にコロナ禍以降、人と人とのコミュニケーションは顔を合わせなくても、対面でなくても成立するコミュニケーションになった部分もあります。
だからこそ、適切な相手との対話、コミュニケーションを通して健全な人間関係が築けたら良いんですが…そうもいかなかったりしますよね。
ミスコミュニケーションの正体
人はなぜそもそも職場でミスコミュニケーションって起きるのでしょうか。
それは相手の態度の中に「自分が許せないコミュニケーション方法がある」という考え方ののっとって今日は話をしていきたいと思います。
たとえば・・・こういう場面。
主人公Aさんと職場の上司のBさん。
Aさんは「目を見て人の話を聞きたい、聞かなければならない」と思っています。いつも後輩の話や、お客様先でもどんなに忙しくても手を止めて話を聴くことを意識しています。
自分がどんだけ忙しくても、「聞かなきゃ」が先行して無理をして聞いているときもあり、疲れてしまうこともあります。
そんなAさんの職場に用事があって話しかけてもいつもPCに向かって対応してくる、つまり目を見て話してくれない、上司のBさんがいたとします。
そうするとAさんの中には「Bさん、いつも私の目を見て話さないなんて…なんで?嫌われているのかな?」とふつふつとモヤモヤが浮かんできます。
何度話しかけても、大事な相談をしても、Bさんは目を合わさず、
Bさんが信じているのは「効率よく働いて定時で帰ること。自分のパフォーマンスを発揮して職場に貢献すること」です。
人の話を聴くことはもちろん大切だと思っていますが、一番優先したいのは「効率よく働くこと」です。
誰かの相談を聞きながらも、自分の業務を終わらせる。そうすることで職場全体の売上やパフォーマンス、社内の評判があがると思っています。
目を見て話を聞いてほしいAさん。
効率よく働き、会社のためになりたいBさん。
BさんはAさんのことを悪く思っているわけでも、嫌いなわけでもありません。自分にとっての職場での正義をもって働いているだけだったりします。
大事にしているものがちょっと違うだけで、こんなにもモヤモヤすることが生まれ始めます。
しかもお互いの意見を擦り合わせることがないままなので、平行線のまま、いやもっとコミュニケーションの溝が埋まらないまま、どんどんAさんのもやもやは知らないうちに大きくなるでしょう。
じゃあこういうとき、どうしたら良いんでしょうか?
Aさんへの処方箋
Aさんに伝えたいことですが、正直に言います。
「Bさんへの不満ではなく、あなたが大事にしている価値観を見つめてみましょう」
これはどういうことかと言うと、
Aさんの「人の話は目を見て聞かなきゃいけない」という自分の信念はどこから来たのでしょうか?
小さい頃、両親から教えてもらった価値観だったり、人間関係を円滑にするために、もっというと人から嫌われないようにするために小中高で身につけた生きるすべだったのかもしれませんね。
つまりAさんの過去に必要だったからこそ、あなたは目を見て人の話を聞いていたわけです。
こういうと怪しい話に聞こえてくるかもしれません。
心理学用語を使って説明しましょう。
投影という概念
自分の中で許せない感情、価値観をもっている相手を見ると、モヤモヤするという考えです。
先程のAさんに置き換えてみると、
Aさんは「自分も本当は目を見て話したくないときもある。でもせざるを得ないし、するべきではない。」と思い込んでいる。だから目を見て話さない人を見ると、モヤモヤしてくるんですよね。
意識し始めると
そうか、と気付いたAさん。自分の中にあるモヤモヤの正体に気づき始めました。
気づくと人は無意識にやっていたことを意識化することができます。
意識できるようになると、少し俯瞰して物事を見れるようになったり、これまでとは違うコミュニケーションの取り方を実践できたりします。
そんなAさんにもう一つやってほしいことがあります。
どんな自分でもOK
それは「相手の目を見て話しても良いし、たまにはそうできない自分を許してあげてほしい」ということ。
今の自分の「〇〇すべき、しなければならない」をちょっと緩めてあげること。
これまで十分あなたはきっと、自分の思いを押し殺してまで人の話をじっくりと聞いてきたはずです。
でもそう出来ないときもあって良い。
そう思えると、自然と相手の行動も許せるようになってきます。
相手を許せないのは、その行動をすることを自分に許可できていないからだったりします。
どんなあなたでもOK。そう思えたとき、人とのコミュニケーション方法が少し楽になってくるかもしれませんね。
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