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モノ売り屋さんの舵きり

どうも。
在宅で着実に肉団子と化してきている私です。
専らバズレシピ作りにハマってます。先日、人生で初めて味の素を買いました。

さて、朗報です。
晴れて2020年度、二度目のnote更新であります!
なんと二度目にして既に昨対200%の達成率!

『継続は力なり』

日本語史上最も嫌いだった言葉が今、側に寄り添ってきてくれてるような気がします。(ちなみに、嫌いな言葉ランキング同率1位は『予習復習』)

ぜひ皆さまにはこれからも、いつ飛ぶか分からないバイトを見るような目で生温かく見守っていただければと思います。果たしてこれは誰に語りかけているのでしょうか。


さて、本日は「モノ売り屋さんの舵きり」について書きたいと思います。
「BtoC企業が、これからの時代を生き残っていくにはどうすれば良いのかを考えてみた」という話です。

突然どないしてんという感じですね。すみません。
かなり唐突ですが、今の仕事をしている自分が、今、考えていることをまとめるために書いておきたいと思いました。

こういうのって書くの本当に恥ずかしいし、でも書かないと自分で考えをまとめられないし、他のかしこい人たちが似たようなこと書いてくれてるから「ま、いっかー」となってしまい頭の中が整理できずに終わってしまう、そんな人生をもう28年も送ってきたズボラウーマンなのですが、今年はもう既に、更新率2倍の女なのだという大いなる自負と共に、書きたいと思います。

ごめんなさい。また前置きが長くなりました。
今回は日々の仕事の中で憤りや可能性を感じたことを考えながら書くので、内容はとても個人的な日記のようなものになります。
だけどもしかしたら、同じようなBtoCのモノ売る会社さんにも同じこと言えるんじゃないかな、と少し思っています。

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私は新卒で入社した食品会社で今年7年目を迎える会社員です。食品会社と言っても、メーカーでも小売りでもなく、生販一体のビジネスモデルを強みとしてBtoCでモノを売っています。上流から下流まで、全ての過程を自社で行っているため、当然社内の部署や仕事内容も多岐に渡ります。
私は新卒から3年間、販売職として店頭で接客を中心とした仕事をし、そこから部署を移り、今はブランド戦略企画、商品企画を担当しています。

これはコロナ前から日々危機感を感じていたことですが、自社商品を実店舗メインで販売している企業にとって、これからの社会で存在感を発揮するためには、いま猛スピードで変化している時代と市場を捉えて対応していく、フレキシブルな戦略が必要だと思います。

あらゆるモノや情報に溢れ、豊かすぎるくらい豊かな今の世の中。
かつての「出せば売れる」「店舗を拡大すれば儲かる」「広告を打てば人が来る」時代ではなくなり、かつての成功体験はもはや完全に昔話となりました。
そしてそこから変われた事業、もしくは今の世の中のニーズを捉えた新しいビジネスが世の中の支持を得ているように感じています。

さらにこれからは withコロナ時代。既に世の中は、日常生活の根幹から大きく変化しています。

このままでは絶対やばいで。置いてかれるで。
そんな危機感を毎日感じています。(突然の感情 with関西弁)

では、モノ売る会社がこれからの世の中で価値をバッチバチに発揮させ続けるためには具体的にどのように舵を切れば良いのか。
これには2点しかないのではないかと考えます。

①モノ・ブランドの持つ哲学やメッセージを強くてイケてるものにして発信する

消費の価値観が「モノよりコト」「コトから意味」へと変化しているいま、「共感」「支持」はマーケティングの最も重要なキーワードとして取り上げられています。皆が羨むモノを持つことではなく、自分が共感できる、また納得できるものを生活に取り入れることで生活を豊かにしたい…という欲求。
とりわけミレニアル世代にはこの傾向が強く、この世代は他の世代と明らかに違う特徴として「社会貢献ニーズ」が強いとも特徴づけられています。
私もドンズバでこの世代ですが、「クラウドファンディング」や「サステイナブル消費」などはもはや一般的な消費の価値観になっているのではないかと思います。

さらにコロナウイルス流行によって、今まで身近に感じていなかった社会課題が自分の身の回りで日々ゴロゴロ発生しています。これからは「社会貢献」というよりもっと身近な「他者への応援」ニーズがより高まっていくようにも思います。
未来宿泊券とか、近くの飲食店を応援するためにテイクアウト利用するとか。もちろん自分がそこの商品やサービスを手にしたい気持ちがベースだけど、モノを選ぶときに「せっかくだから応援できる形で」という気持ちがより前に出てくるようになりました。自分が好きなものを応援したい、なくなって欲しくないという気持ちはあらゆる形で経済的な支援に繋がっています。

少し脱線しましたが、消費者が「それを買う意味」を考えて自分が納得できるものを取捨選択するようになった今、企業側としてはモノ・ブランドの持つ哲学やメッセージを強く、イケてる(共感を得られる)ものにしなければその存在価値を発揮することが難しくなってきています。

消費者の欲求を満たし、根強いファンになってもらうために、どの会社もあの手この手で「コト消費トキ消費」を軸に商品開発、販売促進を打っています。新事業開発、社内ベンチャーなんてのも盛んです。

私も仕事上、様々な企画や商品を考えますが、その中でまさに「メッセージ、自分の想いこそ大事だ!」と感じ、過去のデータや傾向は置いておいて自分の信じること、お客さんに感じて欲しいことだけをコンセプトに商品開発をしたこともあります。

しかしこれらの企画はうまく形にするのが難しかったり、社内でうまく進められず企画が通らなかったりと、壁を感じてばかりでした。もちろんそれは自分の力不足が一番の原因なのですが、歴史の長い企業の中でこの観点で企画開発を進めることに、難しさを感じました。
特に社内調整において一番うまくいかない点は、個性の強い企画はメッセージが強いために一部の顧客にしか響かない=マスの消費者に受け入れられ辛いと見られるため、数字が見込みにくく、商売として会社の理解を得られにくいこと、それゆえ審議にかけられボツになってしまいがちであるということです。まあ、会社としては当たり前の判断ですね。
また、ボツにならなかったとしても、企画自体が磨かれておらず「なんとなくそれっぽい」状態で世の中に出てしまうことで、よく分からない中途半端な商品になってしまったこともあります。

同じような歴史の長い、いわゆる大企業の中で新事業が生まれにくい背景としては、どこの会社も同じようなことが起きているんだろうなあと感じます。

儲けの見込みは立てなければ事業計画にならない。そもそも導入が難しい。
➡︎導入できても、企画を磨き上げるための人やスキルが欠けている
➡︎結局、マスに受け入れられるもの=これまでの成功体験、既存顧客に好まれると言う視点での商品開発で安泰する。
➡︎そこそこの結果でとりあえず一安心
私自身、このループに陥り「やりたくてもやれない」もどかしさにモヤモヤしていました。

もう言いたいことを言葉を選ばず一言で言うと、

「コト消費トキ消費」なんて簡単に言うけど、メッセージを発信するにはその企業やブランドの哲学や歴史や中核にあるものが必要で、その哲学の真ん中には必ず人がいて、その人がたくさん集まった形がチームや会社になる訳で、今既にあるブランドが新しく「コト消費だ!サステイナブルだ!」と思っても、求心力がどこにもないから意味不明な企画しかできへんのや!!オラァ!!!

と考えていた訳です。
失礼しました。時々口の悪い関西人が乱入してくるようです。
そして全然一言じゃなかったですね。ふぅ。

しかし実際問題、一度世の中に広く知られてしまった(特に大企業の)ブランドにとって、その中で新事業や全く新しい企画を組んでいくことはかなり難しいのが実情ではないかと思います。
何故なら既に大きく成長しきったブランドや商品は、過去その時代に存在していた哲学や信念によって組み立てられ、既に世の中に広く受入れられているからです。

新規事業として予算と人を付けて、別会社くらいの気持ちで挑むのならまだしも、既存の枠組みの中で新規顧客を獲得したり、よりブランドの支持を広げるということは、中にいる人たち(社員)の考え方の更新と、それなりのスキルが必要なはずで、これは結構難しいことだと思います。

そこで、もう一つの舵の方向性として、私が考えるパターン2がこちらです。ドン!


②普遍的なブランド価値を維持しながら、とことん顧客の側に寄り添う

既に一定の支持を受けているブランド、モノはこのまま変えない。新しくしない。
しかしただひたすら、今買ってくれているお客さんが一番望むことと嫌なことを理解して、それに対応しまくるという作戦です。

これはつまり、プロダクトそのものではなく流通、PR、サービスの側面の強化です。今利用してくれているお客さんが、これからも利用する上で嫌だな、不満だなと思っていることを敏感に察知して、徹底的にそれをしないための対策を取る。お客さんとのコミュニケーションを密々にする。
そうすることでブランドや商品をより身近に感じ、愛着を感じてもらうことができるのではないかと思います。

先日の日経MJの記事に、あるレンタカー会社の社長さんの話が載っていました。その会社の車レンタルサイトは、ユーザーが一度会員登録してから退会の方法までとても分かりやすくサイトに明記してあるそうです。
会員登録するようなサイトでは、退会方法を分かり辛くさせてユーザーをひき止める手法が一般的な中、あえて分かりやすくすることで会員さんに辞めてもらいやすくした背景には、社長自身が「自分が止めにくいサービスは嫌だから」という、シンプルかつ完全にお客さん目線な理由がありました。

「自分がされて嫌な事は人にしない」という人間関係の基本をビジネスにおいても徹底して実行することで、企業対顧客の間でも良い関係を築き、着実にファンになってもらうことができるのでしょう。
コロナ対策として宅配業者の間で急速に広まった「置き配」サービスも、顧客に寄り添うことで生まれた新しいサービスだったと言えるのではないでしょうか。

また、ECの活用は顧客に寄り添う手段の1つとして真っ先に考えられるでしょう。

・今まで店舗に足を運んで購入するしかなかった商品が、ネットで注文して自宅や最寄りのコンビニで手軽に買える。受け取れる。
・今まで店員に問い合わせるしかなくて少し気遅れしていた商品の詳細な情報は、オンラインですぐにアクセスできる。
・例えば、自分が今買った食品と相性の良いビールの銘柄をサイト上で知ることができる。

ECの活用は物流、PR、サービスの面で、企業側から顧客のそばへ寄り添える一番の手段のはずだし、活用によって商品はその商品の持つ価値以上に価値を発揮するはずだと思います。
既に多くの企業が導入してECのみのビジネスも多数ありますが、これまで実店舗での販売を強みに、大切にしてきた会社にとっても、間違いなく必要不可欠なものになるでしょう。

改めて、言いたいことを言葉を選ばず一言で言わせて下さい。スゥ…
はやいこと使いやすいオンラインサービス導入して、バチくそ美味しいうちの商品とこだわり情報をお客さんの元にすんなり届けんかい!!

以上です。すみません。


荒ぶりましたが、つまりまとめると、変化し続ける世の中で存在価値を発揮するために「モノ売り屋さん」が切るべき舵の方向性は2つ。
それぞれに向いている規模や在り方があるのではないか、という話でした。

①のコト発信
➡︎求心力のある発信者が存在するベンチャーや個人が担う。既存の企業が取り組む場合、特定のチームにある程度の裁量権を与えて思いっきり舵を切る。
②の顧客課題の解決の徹底
➡︎既存顧客を抱える全ての会社やブランドが取り組む。特にEC活用は急務

書き終えて見返すと、なんだか当たり前のことを書いているようにも思いますが、今の自分の頭の中を少し整理できました。


ここまで奇跡的に到達したあなた。
読んで下さってありがとうございました。

明日はバズレシピはお休みして、いただきものの筍で心に染みる優しい旬のお料理を作ろうと思います。

心を労わりましょう。
それでは、おやすみなさい。

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