一歩、踏み出せた

お久しぶりです。

この2ヶ月であったことを、自分の整理のために書いていきます。

「この2ヶ月であったこと」といってもあまりにも不器用なわたしの恋の話です。改めて言葉にすると気はずかしい。でも、なんとか文字にできるくらいの心持ちになれている。

わたしは、前の職場の先輩が好きでした。

机が隣だった先輩。机が隣、なんて学生みたいだなと思うけれど、隣でずっと、理想の大人像を見せてくれた、少し年上の先輩。

社会人1年目、仕事のことも分からなければ、社会の常識なんてものも何も分からない。

たぶん先輩からみたら子どもが入ってきたなあ、くらいの認識だったのかもしれないけれど、こちらが1聞けば10教えてくれるような、博識なひとだった。ただでさえ忙しいのに、親切すぎるくらい、いろいろなことをしてもらった。

社会人のマナー、分からないことある?って聞かれて教えてくれたり、仕事で使うExcelデータをわたしが使えるように変更して作ってくれたり、残業しすぎて一緒に日をまたいだり、焼肉に連れて行ってもらったり。一緒にいる時間が本当にだいすきでした。

そして、電話の向こうにいる相手を想いながら話していることが分かる電話応対、目上の人への細やかな気配り。この職場で初めて、こんなひとになりたい、と憧れた先輩だった。

それはいつしか、「先輩のいちばん近くにいたい」というあまりにも強欲な、そんな気持ちに変化していた。

仕事に行きたくなくても、となりに先輩がいて、他愛ない話ができると思えば自然と頑張ろうと思えたり、先輩に言われた一言がずっと宝物のように心に残っていたり、あぁ、「恋」ってこんな気持ちだったなあと思ったり。すてきな気持ちをまた教えてもらった気がしていて。


しかし、わたしが前の職場を離れることになり、4月からは会えなくなると分かったわけです。

わたしは、好きだなあという気持ちをずっと膨らませながらも、「この気持ち、どうする?」とモヤモヤ考えていた。

片思いをしたことはあっても、いつも片思い止まり。ああ、どうせ、わたしの恋愛はいつも上手くいかない。ずーっとそんなことを考えていた学生時代。好きな人のことは影から見ているだけで幸せだった。

でも、今回はそれで終わりたくない。年明けからずっとそう考えていた。

「結果はどうであれ、気持ちを伝えることに意味がある」

友人の後押しもあり、気持ちを伝える覚悟を決めた。

ただ、覚悟を決めた時はもう年度末で、直接会えるタイミングがなかった。
でも声で伝えたいと思ったから、先輩に電話をかけた。



「好きと言ってくれてありがとう。でも、ごめんね。その気持ちには応えられないんだ」


そう言われるだろうとは薄々感じていたが、いざ言われると堪えていたものが全て溢れ出てしまう。


そこから2週間くらい、友人に相談する度に泣いた。なんならまだ今もひきずっている。
失恋とはこんなに尾を引くものなのか。

「きっとあなたにはもっといい人がいる。あなたを大切に思ってくれるひとに出会ったら、連絡してよ」

わたしにとってのいい人、が先輩なのに。とは思うけれど、先輩はわたしよりもずっと大人だから、仕方ないのかなとも少し感じる。ただ、これからも、職場が変わっても、となりにいさせて欲しかった。


でも、気持ちを伝えられた。一歩、踏み出せた。
少しだけ、自分に自信を持てたかもしれない。

一歩踏み出す勇気をくれた人たちに、ありがとう。

そして、こんなにすてきな日々をくれた先輩に、ありがとう。

この1年のことは大切な思い出にして、たまに思い出そう。


【追記】
思い出にして、しまっておこうなんて思ったけれど、5月になってもなお、ふと先輩のことを思い出してしまう。今でも仕事の相談に乗ってくれるし、「役に立ちたい」なんて言うから、まだ終わってないんじゃないかと思ってしまう。どうかこんなわたしを許してほしい。


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