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私と読書の秋、2020.





note を更新し無くなってから1年が経った。
別に私がnoteを更新しなくても、誰も何も思わないだろう。

2019年の私は、、というか大学生になった私は夢と希望に満ち溢れていた。
「将来は子供に関する仕事をする」と高校生の頃に思って、
心理学を学び、学習塾でアルバイトを始め、子ども食堂に携わり、
未来に向けて毎日が充実していた。

ところが、就活をする中で「子供に関する仕事」が見つからなかった。
どうしても自分の目標や夢とする仕事はなかった。
妥協する事もできず、自分で始める事もできず、
ただ周りの目を気にして就職した。


2020年春、私は介護福祉施設で働き始めた。
初めての環境、激務、コロナ、、、
こんな言葉で片付けられてしまうけど毎日心を折りそうになりながら、
なんでこんなところで働いているのだろうと思いながら、
(楽しい、嬉しいと感じることももちろんあるけど)
必死に働いている。






そんなある日、本屋で見つけた「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」

私は旅行が好きだ。幼い時から必ず1年に一度は家族旅行に行っていた。高校生の頃からは3ヶ月に一回はどこに行っていた。旅行に行けなくなって10ヶ月が経とうとしている。
世間がGOTOトラベルを使って旅行ができていても、県外に出ることを禁止されている(職業柄)。誰かの旅行を自宅にいながら楽しめるなんて、なんて良い本なんだろう。若林さんはどんな景色を見てどんなことを感じたのだろう。そんなことを感じながら手に取ってみた。



目次
1.旅に出る目的
2.革命博物館で革命が起こらなかった話
3.解説を読んで泣いた話




1.旅に出る目的

私は旅に出るというと、大体は観光地や食べたいものなんかで場所を決めてしまう。
若林さんの旅の目的が「自分の悩みやコンプレックスは新自由主義のシステムが作っている。だから日本と逆のシステムである社会主義国のキューバを見に行こう」という発想が新鮮で面白かった。

私は旅に出ると生きやすさを感じる。普段1分、1秒の時間の遅れを気にして、目の前にいる人ではなくスマホの画面の向こうにいる誰かを気にしている。旅に出ると飛行機の時間以外は気にすることなく時の流れに任せられる。現地の人と話してその土地にしかないディープなものを見るのが好きだ。




2.革命博物館で革命が起こらなかった話

私が一番印象的だった場面は若林さんがキューバの革命博物館にて

「明日死ぬとしたら生き方が変わるのですか?あなたの今の生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なのですか?」

これに対して
「ぼくは革命博物館で涙を流さなかったし、今の生き方を変えるつもりもなかった。だけど、ぼくはきっと命を延ばしている人間の目をしていて、彼らは命を使っている目をしていた。」

本当に好きなことをどんな状況になってもやってきた、続けてきた若林さんだからこそ、「お笑い芸人」というものが自意識過剰でもモラトリアムでも自己肯定できる一部だったのだろう。
その一方で、私は資本主義のシステムに影響され、損得で考え、「居場所づくり」も「子供に関わる仕事」も出来ていない、周りの目ばかり気にして思うように生きていない自分を肯定できていない。

先日1年ぶりに会った高校の先輩に
「やりたいと思ったことは出来ている?
社会人になるともっと出来なくなるでしょ。」と言われた。

確かにその通りだった。でも諦めることも出来ていない。
一度きりの人生、まだまだモラトリアム。

私の革命は起こるのだろうか。






3.解説を読んで泣いた話

この本を読んで泣いた場面が「DJ松永さんの解説」だ。本文とは全く関係なく、大好きな若林さんに対するファンレターとも言える解説。
どんな解説をするよりも「若林正恭」という人物を、「血の通った人間と没頭」から生まれたものを表していると感じた。


どんな哲学書より分かりやすく、どんな自己啓発本より為になる。
人生寄り道することも悪くないなと感じた。
ゆっくり自分らしく進んでいこうと思う。
立ち止まった時にはラジオとヒップホップを聴きながら。




#読書の秋2020
#表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
#若林正恭





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