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滑り込みクラファン

更紗の柄の着物が欲しいと、ずっと思っていた。できれば洗える素材で、私の好きな色合い、柄の細かさで、冬場というよりは初夏〜秋口くらいに着られるような…
血眼になってネットショップ探索を繰り返していた時期もあった。メルカリや楽天市場、ヤフオクなどなど、探してはブックマークをし、今や私のお気に入り欄は反物だらけである。
その中で、一応「第一候補」となっていたのが、片貝綿縮の更紗柄であった。縮は未体験であるが、片貝木綿の着やすさは実感済みで、もう1枚欲しいと思っていたところだったのだ。他にも、夏向けの生地ならば近江縮の型染めなんか素敵だなあ、と、スマホの画面におどる商品達を眺めながら、あーでもないこーでもないと思索していたのである。

かなり前からそんなことを考えていたものだから、「これだ!」というものに出会ってしまった時の瞬発力は我ながらすごいものがある。まるで短距離走をやっていた現役時代のようだ。
そうなのである。私はついに、「これだ!」という反物に出会い、そして持ち前の瞬発力を発揮してクレジットカードを華麗に切り、今はお品物の到着をワクワクしながら待っているところである。

10本以上の反物を未仕立てで積んでいる状態なのだから、新しいものを買っている場合ではない。分かっている。
引っ越しもあるのだから、お金を使っている場合ではない。それも分かっている。
しかし、なぜこのタイミングで購入に至ったのか。それは、出会ってしまった反物が「その日が締め切りのクラウドファンディングのリターン品」だったからである。

私が今回応援購入させていただいたのは、「染の里おちあい」さんがモーションギャラリーにて支援を募っていたプロジェクトの中の、唐草の花更紗柄である。

すでにクラファン期間は終了し、無事目標額を集められたとのことで、誠にめでたい。型染めに使う型紙を、消耗して使えなくなる前にデジタルアーカイブし、後世に残そうというプロジェクトだ。着物に限らず、様々な伝統技術が後継者などの問題で消えつつある今、それを残そうとするプロジェクト。是非とも頑張ってほしい、応援したくなる!
しかも、その応援購入でのリターン品が非常に魅力的なのである。
数おおくネットショップを徘徊し、気になる品物をブックマークしてきたのだが、正直に言って好みのドンピシャ!なものにはまだ辿り着けていなかった。だからこそ、購入の決断を先送りにしていたんである。しかし、この「染の里おちあい」さんのクラファンページで、その「ドンピシャ!」に出会ってしまったのである。

実は、クラファンをやっていたことは前々から知っていた。というのは、インスタグラムの広告でクラファンが時折流れていたし、私の友人も同じプラットフォームでクラウドファンディングに挑戦しているのもあって、検索に引っかかっていたのだ。

知っていて、あえてみないようにしてきた。なぜならば、絶対にやらかすから
そして、その予想通り、しっかりと散財したのである。

最後まで我慢ができなかったというのは大いにあるが、それ以上に私の購入を後押ししたのは、着物仲間さんが、反物の現物を見に行った際の写真を共有してくれたからだ。


出会ってしまった「ドンピシャ!」

私が今回選んだのは、この花更紗柄である。正直一目惚れであったが、ちょっと柄が大きすぎないかな?というのが心に引っかかっていた。
クラファンサイトにも、

※下記の着物アレンジは大きく図案が誇張されますが実際はもう少し細かいです。

https://motion-gallery.net/projects/ochiai-san#

と書かれていたし、生地の画像の綿紅梅の格子の大きさからも、なんとなくこれくらいなんだろうなーという予想はあった。しかし、確証が持てないため、購入を見送っていたのだ。
そんな中、着物仲間が反物幅がわかる現物の写真と、それを体に当てた様子を見せてくれたのだ。私の迷いが無くなった瞬間である。

さらに言うならば、実はこの日(か前日)、インスタグラムにて、「染の里おちあい」さんからフォローをいただいていた。私をフォローしてくださった真意はわからないけれど、向こうからわざわざ私を見つけてフォローまでしてくださるなんて…無名のただの主婦の、しかも着物じゃない投稿も割とあるアカウントなのに…と、半ば心動かされてしまったのだ。

反物が届いても、仕立てが必要だから、着られるようになるのはおそらく来シーズンからだろう。まずは染め上がりを待ちつつ、手元の積み反を確実に仕立てていかねばならない。身が引き締まる思いである(笑)

そして、染の里おちあいさん、クラファン成功誠におめでとうございます!型紙を後世に残す取り組み、これからも応援させてください。

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