ロシアのフェイクアカウントについて その㉓:藤和彦氏への反論

【概要:その①】

経済産業研究所コンサルティングフェローなる肩書を持つ藤和彦氏がロシアによるウクライナ侵略について記事を書いていたので、反論してみます。

まずは1本目から。発行日は2022年02月21日で、ロシアのウクライナ侵略開始の前日です。

【問題点1-1】

<藤氏の主張>
ロシアとウクライナの関係が悪化した発端は、2014年にウクライナに親欧米政権が誕生したことにある。「新政権がロシア語話者(親ロシア系住民)を迫害する」との警戒から、親ロシア系住民が多数を占めるドンバス地域(ドネツク州とルガンスク州)で分離独立の気運が高まり、ドンバス地域の一部に半ば独立状態が生まれた。

<筆者の反論>
2014年時点でウクライナから報道した記者は、「ロシア語話者が迫害されていた事実はない」と主張しています。記事の概要については、こちら

東部ドンバス地方における親ロシア派と親マイダン革命派の争いは、本来は民主的なデモによるものです。これが殺し合いに発展したのは、ロシアが覆面で介入して憎悪を煽ったためです。詳細については、こちら

【問題点1-2】

<藤氏の主張>
2019年に就任したゼレンスキー大統領は、不利な戦局の中で結ばれたミンスク合意の修正を求めたが、ロシアはこれに応じなかったことから、昨年1月「ミンスク合意を履行しない」と宣言した。これに対し、ロシアは「ウクライナがミンスク合意を破棄して武力解決を試みようとしている」と警戒、昨年3月からウクライナ国境沿いに軍を増派して圧力をかけた。その後もウクライナが態度を改めなかったことから、昨年10月以降再び軍事的圧力をかけた。

<筆者の反論>
東部ドンバス地方で争いを煽っているのがロシアです。詳細はこちら

そして、ミンスク合意が成立した時点ではウクライナの国内問題の扱いなので、ロシアが口出ししている時点でおかしいです。そして、ミンスク合意を破ったのもロシアです。詳細はこちら

【問題点1-3】

<藤氏の主張>
ロシアの一連の動きは、欧州に対して「ウクライナがミンスク合意を履行するよう促してほしい」とのメッセージだった可能性が高いが、この動きに敏感に反応したのが本来の調停者であるドイツやフランスではなく、部外者である米国だった。バイデン政権の対ロ強硬派がこれを奇貨としてロシアの脅威を煽ったことから、焦点がミンスク合意からNATOの東方拡大にすり替わってしまった感が強い。

<筆者の反論>
ウクライナ侵攻の口実として「NATOの東方拡大」を挙げていたのはバイデン政権の対ロ強硬派ではなく、プーチンです。そして、隣国に軍事侵略する理由にはなりませんし、NATOが東方に拡大した原因もロシアにあります。詳細はこちら

【問題点1-4】

<藤氏の主張>
ゼレンスキー大統領は「ロシアよりも国内の政治的ライバルとの確執にうつつを抜かしている」と噂されており、配下の過激分子が暴走する可能性が指摘されている。

<筆者の反論>
デマを流すのはやめましょう。

【問題点1-5】

<藤氏の主張>
ロシア下院は15日、ウクライナ東部の親ロシア派が実効支配する地域の独立を承認することをプーチン大統領に要請する案を採択した。これを実行すればミンスク合意を自ら破ることになり、欧州との対立が決定的になるため、プーチン大統領が下院の要請にただちに応じるとは考えにくい。

<筆者の反論>
プーチンが親ロシア派が実効支配する地域の独立を承認したのが2022年2月21日で、藤氏の記事が発行されたのが2022年2月22日です。残念ながら藤氏の予想は外れました。

そして、「ロシアが親ロシア派が実効支配する地域の独立を承認すると、ミンスク合意をロシアが破棄したことになる」ことを藤氏が認めています。

藤氏も認めている通り、ミンスク合意を破ったのはロシアです。

【問題点1-6】

<藤氏の主張>
繰り返しになるが、ウクライナ危機の根源はNATOの東方拡大ではなくミンスク合意である。最悪の事態を回避するために、日本を含め国際社会はウクライナ東部の停戦を早期に実現させるための最大限の努力をすべきなのではないだろうか。

<筆者の反論>
ミンスク合意に関しては、
 ・民主的な争いを殺し合いまでに煽ったのがロシアである
 ・内容はロシアが口出しする問題ではない
 ・ミンスク1もミンスク2もロシアが合意を破っている
です。参考はこちらこちら

プーチンの言っていること/やっていることは全て嘘です。

【概要:その②】

次に2本目。発行日は2022年06月15日で、ロシアのウクライナ侵略開始から4ヵ月弱経過したタイミングです。

【問題点2-1】

<藤氏の主張>
マクロン大統領が4日の地元紙のインタビューで「停戦時に外交を通じて出口を構築できるよう、我々はロシアに屈辱を与えてはならない」とプーチン政権への一定の配慮をにじませる発言を行った。ウクライナ側は即座にフランスの融和姿勢に釘を刺し、自らの強硬路線への西側諸国の支持に綻びが出てこないよう躍起になっているが、この戦略がいつまでも有効だと限らない。

<筆者の反論>
プーチン政権の犯罪の被害に遭われた人達の前でこのセリフを口にすることが出来ますか。

【問題点2-2】

<藤氏の主張>
情報戦での優勢が功を奏して西側諸国では「ゼレンスキー大統領は善で、プーチン大統領は悪だ」という勧善懲悪的な構図が定着し、ゼレンスキー大統領を批判すること自体がタブーになっている感が強いが、このような状況ではたして大丈夫だろうか。

<筆者の反論>
プーチンがウクライナ侵略にあたって掲げた口実は、全て嘘ばかりです。そして、プーチンがウクライナ領内で繰り広げた蛮行は筆舌に尽くしがたいものがあります。

ゼレンスキー大統領は就任以降プーチンに譲歩を重ねて、最後に「話し合える相手ではない。叩き出すしかない。」と判断しています。

ゼレンスキー大統領が善で、プーチンが悪です。どこに疑問を挟む余地があるのでしょう?

【問題点2-3】

<藤氏の主張>
今年10月の大統領選挙で返り咲きが確実視されているブラジルのルーラ氏は5月上旬「連日のように世界各地のテレビで演説し、拍手喝采を受けているゼレンスキー大統領も戦争を望んだと言える。そうでなければ同国の北大西洋条約機構(NATO)加盟に向けた動きに反対するロシアに譲歩したはずだ。交渉を重ねて紛争を回避すべきだったゼレンスキー大統領にもプーチン大統領と同等の責任がある」と述べている。西側諸国で生活しているとわかりづらいが、国際社会ではこのような見解が案外有力なのかもしれない。

<筆者の反論>
「NATOの東方拡大」はプーチンが掲げた数ある口実の中の一つにしかすぎません。そして、プーチンの言い分にまともな主張は一つもありません。思い付きで喋っているのでしょう。

2022年02月21日に藤氏が発行した記事では「問題はNATOの東方拡大ではなく、ミンスク合意違反だ」と主張しています。藤氏も、思い付きで記事を書いているようですね。

【問題点2-4】

<藤氏の主張>
ウクライナの政界筋からも驚くべき情報が届いている。ゼレンスキー大統領は侵攻直後、ロシア軍による暗殺を警戒していたが、今ではウクライナ軍による暗殺の方を恐れているというのだ。ゼレンスキー大統領はこのところ連日のように東部地域に赴き、前線の兵士を鼓舞しているが、軍司令部内で「大統領自身が指示する作戦ではいたずらに犠牲者が増えるだけだ」との不満がこれまでになく高まっているようだ。ゼレンスキー大統領は自らの強硬路線を嫌う西側諸国の特殊部隊に暗殺されることにも警戒しているという。

<筆者の反論>
「大統領自身が指示する作戦ではいたずらに犠牲者が増えるだけだ」との不満がこれまでになく高まっている、との報道は私は見たことがありません。

ゼレンスキー大統領は自らの強硬路線を嫌う西側諸国の特殊部隊に暗殺されることにも警戒しているという報道も、私は見たことがありません。

誰にヒアリングしたのでしょう?

【まとめ】

画像1

藤和彦氏
source : https://www.biglife21.com/society/8895/

ロシア側の主張をそのまま喋っているだけなので、プロパガンダに協力していることになります。また、記載内容に矛盾があります。いい加減な人なのでしょうね。

プーチン政権の主張が嘘ばかりであること、そしてその中身が馬鹿馬鹿しいものであることは、既に多くの人が知るところとなっています。プーチンは、今までロシアの中でやってきたことを国際社会に対してやろうとして、混乱を生み出しているのだと思います。今のロシア社会は、権力者が嘘をつくと通ってしまう世の中になっているのでしょうね。

藤氏はキャリアの中でロシアと関わることがあったのでしょうか?なんだかやり方が似ていますね。

【補足1】

①藤和彦、参政党に絡んでいますね。

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