ロシアのフェイクアカウントについて その62:匿名の商社社員(ロシア担当)/JBPress

【概要】

JBPressに掲載されていたW.C.なる人物の記事に反論します。
 ・記事
 ・人物
W.C.氏は大手商社にて長年ロシアを担当していた人物だそうです。

【本文】

<W.C.氏の主張①>
このケースで停戦が現実化するとすれば、ロシアが核兵器を使う公算が急激に高まり、西側諸国も事態の収拾に動かざるを得なくなった時だけだろう。

<私の反論①>
核の脅しに屈してはいけません。ロシアは繰り返します。癖になります。

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<W.C.氏の主張②>
しかし、もしロシアがこれまでの汚名返上を図れたなら、ウクライナ政権はともかく、欧米諸国は、さらにどれだけウクライナへの援助を続けるのか、続けられるのか、ロシアを完全に押し返すために欧米諸国の兵を送り込むか、あるいはウクライナに停戦協定を一時的にでもロシアと結ばせるのか、の判断と選択を迫られていく。

<私の反論②>
汚名返上ってなんですかね。2023年01月時点で、ロシア軍は各地で醜悪な犯罪を繰り返した挙句にウクライナ軍の反撃を受けて敗退を重ねています。ここから仮にロシア軍が一矢報いたとしても、汚名返上にはなりません。

ロシア軍を撤退させ、ウクライナに謝罪し、損害賠償に誠実に向き合い、犯罪に関与した人物をロシア自身が逮捕して国際法廷に連れてくれば、信頼回復の第一歩になるでしょう。

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<W.C.氏の主張③>
西側への不信感は過去10年以上の間でそれだけ国民各層に拡散・浸透している。

<私の反論③>
西側はロシアへの侵攻を画策していません。NATOの加盟国は増加しましたが、NATOの軍備は縮小してきました。また軍備の内容も、大国間戦争向けの装備から対テロ/対ゲリラ勢力向けの装備に変更してきています。そのことはロシアも認識済みです。

NATOの東方拡大がロシアを圧迫したという言い分に耳を傾ける必要はありません。「ロシアは長年西側から攻撃を受け続けてきた」というロシア国内向けのプロパガンダはプーチンの嘘です。

「電車の中で触られていないのに『痴漢されました』と騒ぐ女」を想像してみてください。それを毎朝同じ電車で繰り返す女を想像してみてください。プーチンの嘘の馬鹿馬鹿しさは、そのようなものです。

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<W.C.氏の主張④>
そして、世界の国々の大多数をロシア批判に向かわせるには、欧州を含めた西側諸国もさらに身を切る覚悟を迫られるだろう。

<私の反論④>
犯罪は犯罪です。ロシアが犯罪国家であることを認めた上でガス/オイルを買い続けるかどうかは、各国の判断になります。国際平和の理念を基に国際法が整備されています。ロシアのウクライナ侵略は国際法に違反しています。積極的に経済制裁に加わることが、国際社会の一員として責任ある態度です。

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<W.C.氏の主張⑤>
米国はプーチン打倒の旗を降ろさねばならない――。現在でも筆者のこの考えは基本的に変わっていない。

<私の反論⑤>
プーチンの大規模犯罪を支持するロシア人だけを尊重するべきでしょうか。反戦派ロシア人の意見を聞く必要はないのでしょうか。

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<W.C.氏の主張⑥>
ロシアが自国に編入してしまった南部2州の返還に、簡単には応じないことは予想が付く。だが、これさえ受け入れないとなれば、その時点で和平交渉は決裂で、いつ戦闘が再開されてもおかしくはない状態が延々と続くことになる。

<私の反論⑥>
「プーチンが領土を欲しがっているのだからウクライナは応じるべきだ」という主張でしょうか。賛同いたしかねます。

国際法に対する信頼が失われた国際社会を作りたいのでしょうか。お互いが核武装してにらみ合うような国際社会を作りたいのでしょうか。

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<W.C.氏の主張⑦>
ウクライナの復興資金調達には、ロシアへ賠償請求問題が密接に絡んでくる。この賠償についいては2022年11月の国連総会で、ロシアへの賠償要求決議が、賛成94、反対14(中ロほか)、棄権73(インド他)で採択されている。それでも賛成派とそれに積極的な支持を示さない国々との数はほぼ拮抗しており、この紛争での賠償に対する考えが、多数の支持を獲得してはいないことを示している。

<私の反論⑦>
ロシアは核兵器を含め他国を攻撃可能な武装を備えてきており、それが今回の侵略に活用されています。一方ウクライナは自衛目的の武装を整え自衛の範囲で戦っています。

ウクライナは国際社会を信頼してきたのだから、国際社会はウクライナの信頼に応えるべきです。国際社会は団結して損害賠償要求をロシアに突きつけるべきです。

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<W.C.氏の主張⑧>
ロシアが一方的に責められる理由は、以前書いたように、先に手を出した(正規軍が国境を超えて他国へ侵入した)ことにもある。それは断固糾弾されてしかるべきで、それを公式に許容することはできない。だが、ここからが問題である。いざ停戦なり和平なりの交渉となれば、相手の議論をすべて戯言・フェイクとして片付けるわけには行かない。それができるのは、相手が無条件降伏でもした時だけである。

<私の反論⑧>
「確かに隣国を侵略したロシアは悪い。しかし、、、」という言い回しは、ロシアの大規模極悪犯罪を擁護する人物に共通する言い回しです。ご注意願います。

停戦交渉は可能です。と言いますか、ウクライナの戦争目的は「ロシア軍をウクライナ領から叩き出す」ことにあるので、これが達成されたら自動的に停戦になります。ウクライナは、占領目的ではロシア領内に侵攻しないでしょう。

謝罪/損害賠償/犯罪者の処罰に応じて国際社会に復帰するか、拒否して経済制裁を受け続けながら再び侵攻を目指すか、どちらを選ぶかはロシア次第になるでしょう。

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<W.C.氏の主張⑨>
我々がこの点を無視してロシアを穢れとみなし、「信用ならない」「利敵行為に当たる」でその言い分を聞くことすら厭うなら、国際情勢への判断を誤った戦前の軍国主義者や戦後の非武装中立論者と何等変わらなくなる。

<私の反論⑨>
ロシア軍は恐怖戦術を採用しています。子供を殺し女性に暴行する軍隊。ウクライナ軍の反撃を受けて敗退を重ねています。穢れと言わずして、なんと言うべきでしょう。

ロシア軍がウクライナ領から叩き出されたら、話し合いが始まるでしょう。プーチンは何を反省するでしょうか。「ウクライナはナチではなかった」と述べるでしょうか。プーチンの嘘は本当に馬鹿馬鹿しいですね。

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<W.C.氏の主張⑩>
そうなるのも、そのロシア観が主に西側メデイアが流す情報に基づいているからなのだが、それに気が付いている人は全くの少数でもないことを世論調査が示している(8)。そして、報道への疑問と批判も、何人かの論者から出されるようになってきた(9)。一方的な報道に偏る背景には、米国の黒白単純2分論の傾向や、ポピュリズム(あるいはフェイク)という一種の侮蔑用語で十把一絡げに反対意見を封じ込めようとする現在の風潮もあるだろう。

<私の反論⑩>
嘘に嘘を重ねるのがロシアのやり方です。プーチンの嘘に付き合う必要はありません。

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<W.C.氏の主張⑪>
ロシアがどのような背景や理由で2014年のクリミア奪取に踏み込んだのか、その後、2022年2月の軍事侵攻開始に至るまでの間に何が起こり、ロシアはそれをどう解釈し対処したのか、そして西側の対露経済制裁が全世界に支持されているとは言い難い現状の理由は何か、などを再検証して、改めて知り得る限りの事実を確認しておく必要があるのではないか。

<私の反論⑪>
クリミア奪取に踏み込んだ理由

ロシアの傀儡政権であるヤヌコーヴィチ政権がマイダン革命で倒れ、ウクライナがロシアの影響下から脱する可能性が出てきたので、不凍軍港のあるクリミアを確保しようとしたのでしょう。他国の領土を軍事力で強奪することは、国際法違反です。こちらは参考です。

2022年2月の軍事侵攻開始に至るまでの間に何が起こり

ドンバスにおける親露派と親マイダン派の対立に覆面介入して、争いを殺し合いにエスカレートさせました。その後繰り返し停戦合意(ミンスク合意)に違反した挙句、その責任を相手に押し付けてからウクライナに攻め込んでいきました。最初から最後まで全て嘘です。こちらは参考です。

そして西側の対露経済制裁が全世界に支持されているとは言い難い現状の理由は何か

ロシアのdisinformationが効果を持ってしまっているからです。国内向けのプロパガンダも国外向けのプロパガンダも、数年間かけて仕込まれています。日本向けのプロパガンダの仕込みは、馬淵睦夫が参考になると思います。

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<W.C.氏の主張⑫>
何度も述べているように、それはロシアの主張を受け入れよ、ではない。相手の言い分を一方的にフェイクと批判・非難するだけなら交渉は成り立たない、という点だけなのだ。相手に賛成できないなら、相手を論破するだけの知的装備は不可欠である。

<私の反論⑫>
プーチンの言い分ですか。プーチンは「ウクライナを悪魔祓いする必要がある」と言い張って、主席エクソシストに就任したそうですね。耳を傾ける必要があるのでしょうか?

嘘に嘘を重ねるのがプーチンのやり方です。「プーチンの嘘に付き合うべき」との主張には賛同いたしかねます。

ロシアはブチャで市民を虐殺し、「ウクライナの自作自演」と嘘をつきました。しかし反省することなく、占領地が解放されるたびに集団埋葬墓地が見つかります。その後、市民を標的にしたミサイル攻撃も繰り返すようになりました。

ロシアは、嘘を暴いても暴いてもさらに嘘を返してきます。嘘をつく人間を相手にしている場合、「相手を論破できるだけの知的装備が不足している」との批判は不適切です。「プーチンは嘘をつくヤツである」が結論です。

プーチンは侵攻時に「非ナチ化/ロシア語話者の保護/NATOの東方拡大阻止」といった大義名分を掲げましたが、国連は「理由にならない」と一蹴してロシア軍の撤退を求めています。

プーチンが話し合いを求めているなら、ロシア軍を撤退させてから話し合うべきでしょう。何を話し合うのか、分かりませんが。「ロシアは侵略をやめる。だからウクライナもナチズムを放棄してほしい」と言い出すのでしょうかね。

【まとめ】

<W.C.氏の責任>
W.C.氏は当然ながら、「『嘘に嘘を重ねるのがプーチン流儀』と知っていながら『プーチンの言い分に耳を傾けるべき』と主張している」とみるべきです。この文章はプーチンのプロパガンダです。

「嘘でもなんでもいいから理由を付けて軍事侵攻し、占領地を拡大し、あとから何を言われても返さない」というのがプーチンのやり方です。この文章は、占領地が拡大した状況での停戦を勧めています。プーチンを支援するために書いた文章です。

プーチンの大量猟奇殺人を支援する文章であり、「国際法が国際社会から信頼を失う」という状況へ誘導する文章です。W.C.氏は穢れを身に纏いました。洗い清めることは生涯出来ないでしょう。

<JBPressの責任>
単純なプロパガンダを記事として採用することは、言論の自由の範囲外です。

ロシアの垂れ流すdisinformationで各国の世論が混乱していることが、この問題の解決を阻害しています。

更に言うならば、チェチェン/クリミア/シリア/ドンバスで繰り返されたプーチンの横暴と残虐行為に対して、国際社会が毎回甘い対応を取ってきたことが、プーチンの増長を招いています。

国際社会は「プーチンの嘘に耳を傾けてはいけない/プーチンを甘やかしてはいけない」と考えを改めつつあります。

この状況で、なぜ「プーチンの嘘に耳を傾けよう/プーチンにお土産を渡そう」と主張する記事を掲載するのでしょう?

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