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若い劇伴作家のための映画案内#1

Stranger Than Paradise

音楽制作プロデューサーという仕事をしています。
劇伴が多いです。
監督はじめ、いろんな立場の人がいる劇伴制作打ち合わせの時には、
具体的な映画のタイトルなども当然出てきます。
ただ、作曲家が時には20代だったりするのに対して、その打ち合わせに
出ている人は僕も含め50代、60代だったりします。
そもそも当たり前に映画に詳しい人からの発言なのに加えて、20年、30年間の蓄積の差が出ることもままあるわけです。生まれる前の映画だってある。
もちろん若い皆さんも勉強してるし、もっと知りたいとか思っているでしょうが、、ではこの20年間にどれだけの映画が作られたかを考えるといったいどこから手をつかたら良いのかと、入り口すらかなり遠くに見えるはず。
そんな若い劇伴作家さんにちょっとしたヒントになればというような文章を
書いてみたいと思います。

ということで「Stranger Than Paradise
つい最近の打ち合わせで話に出ました。
1984年 ジム・ジャームッシュ監督。
この頃、日本でというか、都会で?ちょっとジャームッシュブームありました。
「おしゃれ」な人はみんな見てた的な風情もあり。そういう時代でした。
というわけで84年ごろに20〜30歳くらいだった映画好きからは話に出てきやすい作品。
長編二作目。
主演と音楽はジョン・ルーリー。ラウンジ・リザーズという
ジャズバンドのサックスプレイヤー。
一作目の「Permanent Vacation」にも出演、音楽も担当してます。
この劇伴そのものとか、どの曲がいいとかいうより
3作目の「Down by Law 」までのモノクロ3部作の雰囲気を知っているのが大事かもしれません。ジャームッシュ的、みたいな謎のキーワードの理解のためには笑
3作目ではトム・ウェイツが主演。
1989年の「Mystery Train 」というオムニバス映画の一編では永瀬正敏さんや工藤夕貴さんが主演。
ジャームッシュ映画の音楽は、その後、ジョン・ルーリーの他、トム・ウェイツやニール・ヤングやウータン・クランのRZAなどアーティスト系の人が手がけることが多かったかな。
ジャームッシュ監督はまだまだ現役で、相変わらず映画祭の常連な感じです。

ちなみにトム・ウェイツは結構映画に出てますが、僕は「Rumble Fish 」という映画が大好きです。コッポラ監督。音楽はスチュワート・コープランド。その話はまた。


*映画をメインに劇伴の音楽プロデューサーをやっています。
打ち合わせで実際に出た映画とかを(不定期に、、、)紹介していきます。

(2024.5.8 改稿)


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