2023年1月25日(水)ブックファースト新宿店にて購入した本10冊リストとコメントーある意味、もう読み終えています

書 名    :奴隷会計 支配とマネジメント
著 者 名   :ケイトリン・ローゼンタール/〔著〕 川添節子/訳
出 版 社   :みすず書房
税込価格   :4,950円

■私は、少し会計というか、簿記をかじっています。もう少し勉強すれば、少しは役に立つかもしれないです。しかし、完全に脇道に逸れてしまいました。

会計って何だろう?と考えると、題名に行き着くような気がします。奴隷、もとい労働者を管理するためのマネジメント。

少々値は張りますが、題名を見ただけで、購入を決めました。ただ、そういう内容かどうかは、まだ知りません。

書 名   :アッバース1世 海と陸をつないだ「イラン」世界の建設者著 者 名   :前田弘毅/著
出 版 社   :山川出版社
税込価格   :880円

■一応、私は、史学科出身なんですよね。しかも、かなり大雑把に言えば、中東地域を取り上げていました。その中で、知った君主の1人が、イラン高原に一時期君臨した、サファヴィー朝の最盛期を築き上げた、アッバース1世です。まあ、これも乱暴に言えば、「イランの徳川家康」と呼べるような業績を残した人物です。現在のイラン共和国に繋がるような、国家建設を進めた人物です。

学生時代に、彼の英語で書かれた伝記が、和訳されて出版されました。しかし、あまりに分厚く、しかも値が張るので、当時は購入を躊躇した記憶があります。今回、程よい薄さ、手ごろな値段で彼の伝記が出版されました。そこで、飛びついて購入したわけです。

いわゆる概説書なので、内容を問うつもりはありません。パラパラ読んだ限り、アッバース1世の「偉業」を中心に記述しており、彼の「悪行」については触れる余裕はほとんどなかったようです。後者も含めて、私は関心があったのですが、紙幅上仕方がないですね。■

書 名    :リーガル・カウンセリングの理論と臨床技法
著 者 名   :中村芳彦/著 和田仁孝/著 石田京子/著 岡田裕子/著 早坂由起子/著
出 版 社   :北大路書房
税込価格   :2,640円

■今回、私の関心の一側面をよく表している本ですかね。

「リーガル」と「カウンセリング」、あまり繋がらなそうなテーマです。確かに、そう思います。前者は、「法律」という社会に適用されるルール。後者は、主に「心理学」に基づいた、人間の内面についての理論とでも言えますかね。使う場面が違うのが当たり前と言ってよいかと思います。

実は、私の関心とは、この「一見無関係な」両者を繋げないものか、という所にあります。話すと長くなるので端折りますが、私は、心理学だけではなく、社会的ルール、特に法律を使って、人を癒せないか?そんな「夢物語」を夢想しています。私は、「おめでたい」夢想家なんです。

今の私は、この「夢物語」を具現化する道が見えていないから立ち止まっている、という感じですかね。だから、この題名を見た時、本書が何を言わんとしているのか、意味がわからないけど購入を決めました。■

書 名    :ベリングキャット デジタルハンター、国家の嘘を暴く
著 者 名   :エリオット・ヒギンズ/著 安原和見/訳
出 版 社   :筑摩書房
税込価格   :2,090円

■私は、アナログ人間です。IT社会には、ほとんど関心がありません。便利さは否定できませんが、IT社会には懐疑的だとすら言えます。だからこそ、デジタルを「ゲリラ的な形で」駆使できる道があるならば、IT技術を学んでいいなと思い、今回選んでみました。私には、「アナーキスト」的な側面があるのです。■

書 名    :山口小夜子 未来を着る人 新装版
著 者 名   :東京都現代美術館/編
出 版 社   :河出書房新社
税込価格   :2,970円

■「美人」とは何だろうか?と問うてみても、答えが簡単に出るわけはないです。しかし、少なくとも「美しい人」と言い回しを変えてみた時、彼女は確実にその一人なのだと思っています。

山口小夜子。ファッションにほとんど関心がない私にとっては、最近存在を知った人物です。ただ、わずかな映像を拝見しただけですが、こんな人が日本にいたんだ!と大変驚きました。もちろん、美しい容姿をお持ちなんだけど、それだけではない。ファッションモデルが本業なんだろうけど、それだけではない。一人の「完成された」表現者が、そこにはいました。

三宅一生、山本寛斎。彼らデザイナーの名前ならば、私でも知っています。しかし、彼らとほぼ同時期に、彼らとともに世界に進出したモデルがいただなんて知らなかったです。しかも、その人は、「モデル」と括るには狭すぎる表現の幅を持っていたわけですから。

私のようなセンスのない人間には、彼女が表現した世界を理解することは、哀しいけれどできません。しかし、私には「美しく生きたい」という、身に余る「高望み」があります。だから、少しでも、「美しい人」の薫陶にあずかりたい。それが本書を選んだ理由ですね。■

書 名 :アフロフューチャリズム ブラック・カルチャーと未来の想像力著 者 名   :イターシャ・L・ウォマック/著 押野素子/訳
出 版 社   :フィルムアート社
税込価格   :2,640円

■理由は分からないですが、「フィルムアート社」という出版社は、私の琴線に触れる本を多く出版してくれます。本書も、そんな1冊です。本書に関しては何がいいって、まずは「アフロフューチャリズム」ということばの響きですね。

従来、「ブラックカルチャー」というと、人種差別への抵抗の歴史とセットで語られてきたと思います。この問題は根深く、残り続けています。最近では「ブラック・ライブズ・マター」という語を頻繁に聞いています。

もちろん、本書も、そこは避けていないとは思います。しかし、「アフロフューチャリズム」ということばから伝わってくるのは、「ブラック・カルチャー」の未来に対する「ポジティブな」可能性です。

私自身は、「ブラック・カルチャー」に傾倒しているわけではありません。ただ、アフリカ系の方々が直面せざるを得なかった抵抗の歴史が、反目ではなく、新たな文化を生み出すならば、それは人類の歴史にとって大きな意味を持つと思います。

なぜならば、今も、世界各地で紛争は絶えません。紛争が起こっても、反目し合う現実は続いています。もし仮に「アフロフューチャリズム」が成し遂げられるならば、それは、紛争に代わる、新たな人類のあり方を示す可能性があるのではないかと想像するからです。私は、「お気楽な」夢想家なんです。■

書 名    :ダイアローグ
著 者 名   :ヴァージル・アブロー/著 平岩壮悟/訳
出 版 社   :アダチプレス
税込価格   :1,980円

■若くして亡くなった、黒人ファッションデザイナーが遺した対談集。というのは受け売りです。私は、彼のことをほとんど知らないです。写真すら見たことはないです。当然、どんな人物だったかは、今のところ知る由もありません。もっと言えば、私は、彼の作品を知りません。たぶん、見たことはあるのだろうけど、どれがそうなのか、全く知りません。

それでも購入を決めたのは、まずは、彼もまた「美しい人」であると、一方的に思い込んだからです。そして、やはり白人優位と思われるファッション界に切り込んだ彼には、「アフロフューチャリズム」の実践があったのではないか、と一方的に推測したからだ。

それだけ、と言えばそれだけです。ケチなくせに、思い込みと推測だけで、2000円近くも払ってしまう。それもまた、私です。■

書 名 :ポストブラックメタル・ガイドブック 耽美・叙情・幻想・前衛著 者 名   :近藤知孝/著
出 版 社   :パブリブ
税込価格   :2,970円

■ヘヴィーメタルの1ジャンルに、「ブラックメタル」なるジャンルがあります。説明は難しいですが、黒塗りの衣装で、悪魔崇拝でもやっていそうなイメージが、一方的にあります。「正統派」メタル原理主義者の私からすると、メタルの中でも「きわもの」のイメージです。しかし、この「きわもの」は、元気のない「メタル」の中でも、かなり根強い人気があります。

そんなブラックメタルが、隣接分野と呼応しあい、さらなる変化・深化を遂げているらしいです。副題にある「耽美・叙情・幻想・前衛」はということばは、「メタル」を語るときには、あまり表に出てくるキーワードではありません。勝手に推測すると、本書で紹介されている方々が演奏している音楽は、「ブラックメタル」であるが、すでに別物に深化しているのではないかと思いました。これはチェックせねば!と、マニア心がくすぐられ、購入に至りました。

購入後、パラパラとめくってみました。「ブラックメタル」自体よく知らないのだから、当然分かるわけがありません。まずは、「ブラックメタル」のジャンル分けが解説されていましたが、チンプンカンプン。さらに、「隣接分野」として紹介されているジャンルが、なぜ「ブラックメタル」と相性がいいのか、理解できません。

さらに拍車をかけたのが、一つも知っているバンドがないことですね。もはや、専門性の高い学術書や数学の本以上に理解ができません。ただ、それでもいいと思います。もしここで購入しなければ、もう手に入らないかもしれない。その懸念もまた、購入に至った理由だからです。断片的な情報から、自分の好みを見つけていく。それもまた、今の私には必要な作業に思えます。■

書 名:心理療法家の情緒的成熟 逆転移に含まれた超自我、自我理想、盲点を考える
著 者 名   :ヴィック・セドラック/著 乾吉佑/監訳 五十嵐庸介/訳 加藤佑昌/訳 富田悠生/訳 橋爪龍太郎/訳 横川滋章/訳
出 版 社   :創元社
税込価格   :3,960円

■「心理療法家の情緒的成熟」という題名が、購入に至った理由です。なぜならば、「心理療法家としてのスキルアップ」に焦点を当てた書物は数多くあれど、「心理療法家の情緒的成熟」に焦点を当てた書物はあまり多くない気がするからです。

誰にも、心はあります。法律や会計の知識は意識的に学習しなければ身につきませんが、自分の心に関しては、意識的に学習しなくても体験することができます。それが、心理療法家と、法律や会計など他の専門家との大きな違いだと思います。

心理療法家は、「自分の心に関しては一番の専門家である」クライアント相手に、専門家としてアドバイスを送らなければならない。それは、医師と患者という関係よりかは、専門家同士の「対等な」関係に近いと思います。

自らの専門である、カウンセリングの理論を学び続ける。それは、他の専門家と変わらないと思います。ただ、心理療法家は、他の専門家以上に、クライアントのやり取りを通じて、「情緒的成熟」していくことが求められている。そのように私は考えています。

話を戻すと、「心理療法家としてのスキルアップ」に焦点を当てた書物は数多くあると思います。しかし、題名にある通り、心理療法家自身の「情緒的成熟」に焦点を当てた書物はあまり多くない気がするからです。内容が想像通りかどうかは現時点では分かりません。ただ、現時点では、私が求めているものに近い内容があると信じて、購入を決めました。■

書 名    :問題解決ツールとしての法的思考力
著 者 名   :大城章顕/著
出 版 社   :日本実業出版社
税込価格   :1,980円

■「法的思考力」。法律の学習をする中で出会ったことばです。そして、一番魅了されたことばです。告白すると、実際の各法律の学習なんて、そこまで興味はありませんでした。試験に出るから、過去問をくり返していただけです。ただおかげさまで、「行政書士」の資格を得ることができたことは、感謝しています。

ただ、試験に合格できたから「法的思考力」を身につけることができたかというと、疑問が残ります。いまだにこの「法的思考力」ということばは、私にとっては謎のままです。そう思っていた時に目に飛び込んできたのが、本書です。だから、購入を決めました。

まだ、内容は、ほとんど確認していません。現時点では、内容については、全くコメントできません。あえて言うならば、期待と不安が同居していますね。ポイントは、約2000円という値段ですね。「法的思考力」ということばが理解できるならば、2000円という値段は安いと思います。ただ、逆に言えば、たかが2000円程度の値段で、「法的思考力」が理解できるのか、疑問が残ります。

まあ、本を買う時の愉しみって、こういうものです。すごく期待するから目に留まるわけです。しかし、その期待は、あくまで一方的な期待にすぎません。読んでみたら「話が違う!」ということも、しばしば起きます。そういう期待と不安が入り混じった「奇妙な」感情が、私を本屋に向かわせます。■

★さいごに

まだ、ほとんど読んでないにもかかわらず、購入したいきさつを話すだけで5000字使ってしまいました。1冊平均500字。読書感想文としては、十分な分量です。ある意味では、もう既に、この10冊を読んだ気になっています。

私が「積読」を増やしてしまう大きな理由は、ここに在るのかもしれません。買う前から購入本について強い「先入観」を抱いているため、最初から読書した気になっているみたいです。勘違いも甚だしいですね。

最近疲れが溜まっていて、家に帰ってもすぐに落ちてしまいます。なかなか読書する時間が取れません。「積読」も、溜まる一方です。なんとか、読書する時間を見つけようとは思っています。しかし、意志薄弱でいい加減な私です。今のところ、解決策は見出していません。情けない限りです。

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