見出し画像

RightSight#003|カフェ×コミュニティ×ポップアップ×ローカリティ

RightDesignによるポッドキャスト「RightSight」、#003はコミュニティ/ポップアップ/ローカリティという3つのキーワードからカフェカルチャーについて考えていきます。今回は「ポップアップ」にフォーカスしました。

これまでのカフェ特集が気になった方はこちらからどうぞ。
→#001|知られざるジャカルタのカフェ事情
→#002|インドネシアでカフェ経営に挑戦

noteの記事では、会話のなかで名前の挙がったブランドやプロダクト、サービスを簡単にご紹介していきます。ぜひポッドキャストと合わせてお楽しみください!

街に広がるポップアップカフェ

いまやポップアップカフェは目新しいものではありませんが、小川と山道がジャカルタを訪れた際もあちこちでポップアップカフェを見かけたようです。山道が紹介したのは、モダンなデザインを採用した移動式コーヒースタンド「Semampire」。ジャカルタの騒がしい街並みにシンプルなデザインの車両が現れることで、周囲から切り離された空間が生み出されているように思えます。

加えて石神は、ポップアップという形態が現代の都市空間と適しているのではと指摘。資本主義的な消費を加速させる側面もありますが、ひっきりなしにポップアップイベントやショップを展開することは、空間の“新陳代謝”を高めることにもつながるでしょう。

たとえば韓国・ソウルの超大型百貨店「THE HYUNDAI」は地下1・2Fで積極的にポップアップ企画を展開していることで知られています。同施設が昨年ん公開した「THE HYUNDAI SEOUL Digital Report」では「POP-UP」が重要なキーワードとなっており、戦略的にポップアップ企画が活用されていることがわかるでしょう。

THE HYUNDAI SEOUL Digital Report

文化が変われば飲み方も変わる

続いて小川が紹介したのはベトナムのブランディングスタジオ「chợ chời creative」。同社がブランディングを手掛けたカフェブランド「Vật Liệu Caffe」は、ポップなパッケージデザインやDIY感の強いショップデザインが鮮烈な印象を与えています。

ビール瓶のようなコールドブリューコーヒーは日本の人々からすると違和感があるかもしれませんが、そもそも私たちが「コーヒー」や「カフェ」と言われて想起するイメージも文化的・歴史的に規定されているもの。異なる文化圏に行けばコーヒーの飲み方も変わりますし、気候変動や食文化の変化によって日本のコーヒーの飲み方が今後変わる可能性もあるかもしれません。

ポップアップは実験の場

デザインのみならず、体験においてもポップアップだからできる挑戦があると山道は指摘。たとえば2021年にコロナ禍でさまざまな制約があるなかブルーボトルコーヒーが展開したポップアップカフェは、ロッカー型のデザインによって話題となりました。人と人の接触が難しいなかでどう温もりを伝えるかなど、UXの面においても多くの工夫が凝らされています。

あるいは、「熊爪珈琲」の愛称で知られる上海のカフェ「HINICHIJOU」はぬいぐるみの熊の手が壁の穴からコーヒーを差し出すサービスが話題となり、行列ができるほどの人気店となりました。注目すべきは、健常者と接することに自信がない障害者が抵抗なく働ける方法としてこの形態が採用されていること。

カフェという形態にはまだまださまざまな体験の可能性が眠っていそうですし、コーヒーやカフェに限らず、現代の商業空間や空間デザインを考えるうえで「ポップアップ」は見逃せないキーワードのひとつと言えそうです。

RightSightでは、毎回テーマを設定しながらポッドキャストを公開していきます。次回#004では、コミュニティとローカリティというキーワードから現代のカフェカルチャーを考えていきます。

ご興味をもった方は、Spotifyでぜひ番組をフォローしてください!番組の感想やご意見は、Xのハッシュタグ#RightSightで投稿をお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?