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私の美(38)「ギターのネック」

 中学2年生の頃、初めてギターを手にした。カントリー&ウェスタン用のボディーが大きく、ネックが細いアコースティック・ギターで、あるギターショップがオリジナルだった。金額は45,000円。お年玉を貯めて買ったのを覚えている。
 友達が持っていたクラシック・ギターはナイロン弦ということもあり、好きな音色ではなかったのと、当時、ギルドの瓢箪型のよりも、ギブソン風味のボディーが大きなギターが欲しかったのもある。
 ハードなスティールの弦を張り、硬質な音を楽しみながら、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドなどのカントリー・ロックを一人で弾き語りながら、さらにバンジョーやフラットマンドリンにまで手を伸ばし、気づけばかなりカントリーっぽい音楽が好きになっていました。もちろん、ハードロックも大好きでしたが、家で籠ってガーン!と奏でることなど無理だったので、ハードロックは聴くだけで楽しんでいました。
 さて、ギターのネックほどセクシーなものはないと、つくづく思っています。グリップの美です。
 今はギルドのアコースティック・ギターをたまに触っていますが、ギターケースから取り出し、グリップを握ると、音を奏でて楽しむスイッチがカチャリと入ります。「握る美」という触覚の美も良いものですね。中嶋雷太

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