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本に愛される人になりたい(4)マックス・ヴェーバー著「職業としての政治」(岩波文庫)

 趣味欄に「読書」とか「映画鑑賞」と書いたことがない私です。というか「趣味」の定義がいつも分からぬまま今日に至っています。言葉は荒いですが、クソして寝るのも、本を読み映画を愉しむのも、恋愛するのも、美味いものを調理して食べるのも、映画を製作し物語を書くのも、すべてが私の生活の一部だと思っているので「趣味」として腑分けなどできず今に至っています。
 マックス・ヴェーバー著「職業としての政治」(岩波文庫)の内容がすっきり理解できたのはリアリティを持ち世の中と政治の関わりを身に感じ始めたころだと思います。
 本書に「悪魔の力は情け容赦ないものである。もし行為者にこれが見抜けないなら、その行為だけでなく、内面的には行為者自身の上にも、当人を無惨に滅ぼしてしまうような結果を招いてしまう」という一節があります。1919年1月28日にミュンヘンの学生団体に向けての講演で、ヴェーバーが語りました。そして翌年、およそ一年後の2月24日、のちのヒトラーのナチスに繋がる、国民社会主義ドイツ労働者党が成立しました。
 2022年に百年前の話をする私は読書好きの「趣味」人と思われるかもしれませんが、これもまた「趣味」ではなく、今を生きている私なのだと思っています。私が支払った税金が、悪魔に噛まれ囚われた者たちの好き勝手には使われたくないので、誰が悪魔に囚われているのか見分け続けてきました。おそらく、悪魔に囚われた者は、自覚症状もなく、人の生活を踏み躙っていても気づかないのだろうと思います。しかし、国内外で悪魔に囚われた者や、蟻塚のアリの群れのように、そのおこぼれに預かる者たちの、あまりにも多きことよと嘆きたくなります。中嶋雷太

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