私の好きな映画のシーン(32)『THE NIGHT STALKER』と『THE NIGHT STRANGLER』

　今回は映画ではなくテレビ・ドラマの話となります。
　昔、ダーレン・マグギャビンという俳優がいました。1974/75年にかけてアメリカで放送された『事件記者コルチャック』というテレビ・ドラマで有名になられた俳優さんです。
　日本でも放送されていたはずで、私の記憶の端に残っていたのですが、すっかり忘れていたある日のこと…。2000年頃、私がL.A.在住時、シアトルに旅行に行こうかとシアトルの街の勉強をしていると、シアトルの街は一度大火に会い焼け落ちた街並みの上に今の街が作られたことを知りました。つまり、今の街並みの地下に昔の街並みがあるのです。
　確かに、観光客用にその地下に眠る街並みツアーがあり、私もそのツアーに参加しました。その時に「この街並みには覚えがある！」とデジャヴのようなものが襲ってきました。それは確信にも似たデジャヴ的なものでした。L.A.に戻り調べたところ、それはデジャヴではなく『事件記者コルチャック』というテレビ・ドラマの舞台で描かれていたのを発見しました。ネタバレになるので詳細は語りませんが、ダーレン・マグギャビン演じる事件記者コルチャックは、この地下に眠るある犯人を追い求めます。ホラーとサスペンスが合い混じるこの物語は、『THE NIGHT STALKER』と『THE NIGHT STRANGLER』の二つのシリーズで構成され、テレビ放送されました。
　コルチャックが犯人を追い詰め、この地下街に侵入するシーンのホラーとサスペンスが合い混じったテレビ的ワクワク感はたまらなく良いシーンです。そして何よりもダーレン・マグギャビンの演技が何とも味わい深いのです。
　いつの日か、『事件記者コルチャック』のような、ドキドキワクワクする刑事ドラマを描きたい私がいます。中嶋雷太