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私の小さなキッチンがライブ会場になった。

私の平凡な毎日は、同じことの繰り返し。
夜、家に帰ると夕食の下ごしらえをする。部屋を掃除したらお風呂に入り、夕食を仕上げ、ご飯を食べる。洗濯物を片付けて、アイロンをかけ終わるとすでに日付は変わっている。

睡眠時間は長めに必要な私にとって、家に帰ってからも大慌て。段取りが狂うと寝る時間がどんどんと削られていくからだ。


そんな毎日だったが、超特急に出会ってからは、帰宅後に超特急のライブ映像をリビングのTVでつけるようになった。パワフルなダンス、はっと驚く演出。会場と一体となったコール&レスポンス。リビングから聞こえる音楽を口ずさみながら家事をするって、なんだかいいなぁなんて思っていた。

そしてふと、気づく。
キッチンにいたはずが、TVの前で立ち尽くしている。じっと超特急を見ていた。洗いかけの食器をほったらかしにし、ゴム手袋はしたままだ。しばらくして我に返り、キッチンに戻る。

でも、やっぱりリビングから聞こえる歓声が気になってTVの前に戻る。家事は進まず、TVの前でただ、超特急を見ていた。そんなことが何日か繰り返された結果、すべきことができず、寝不足になった。


さて、困った。
家事もしなければならない、超特急も見たい。

「問題は工夫とアイデアで解決できる」が私の合言葉である。私は翌日、仕事帰りに百円均一へ走った。合計400円。キッチンにワイヤーの即席棚を作ってスマホを置いた。小さな画面でライブ映像を見ることにしたのだ。

たったそれだけの事。
でも私にはとても大切な出来事だった。

実は、ずっと前からキッチンにラックを置きたいと考えていたが、形や場所、コストや耐久性、考えれば考えるほど、慎重な性格が邪魔をして結局何もできずにいた。そんな頭でっかちな私をあっという間に飛び越えて行った瞬間だった。

今まで、後回しにしてきたこと、やりたかったけど、できなかったことがたくさんある。とても些細な事から大切なことまでたくさんある。でも、何もできずに立ち止まっていた。そんな、私を軽々と超えていく。超特急と走る毎日は、心が動く瞬間を私に思い出させてくれる。そして、このどうしようもない感情に抗えず突き動かされる瞬間に出会わせてくれる。


ライブ映像を見ながら立つキッチンは、恐ろしいほどにお皿が洗える。鼻歌を歌いながらする野菜の下ごしらえは最高だ。

そういえば、愛用のゴム手袋は、
タクヤさん推しカラーの緑色だ。

私の小さなキッチンは、
私だけのライブ会場になった。

#超特急 #Countdown


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