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長時間休まず苦しい練習というドラマが大好きなマスコミの影響

~感覚を科学に置き換えた指導法スタイルのススメ~

この50年間、日本は、先進7ヵ国のなかで労働生産性が最下位という不名誉な記録を更新し続けています。つまり、他の国より1円分生産するために時間や労力が余計にかかってしまう国なのです。全体のために個の時間を犠牲にする体質が招いた結果だと思います。

数年前の話、「もっと投げちゃダメですか」という部員の声に対し、投球練習の制限を続けたのが市ケ尾高校の菅沢監督でした。予想以上に賛否両論の様々な反響があったのですが、結果的には思わぬ副産物を得るなど適切な判断であったと評価されることになりました。

 「休み」を確保する海外の考え方を知り、「これだ」と思い導入したと述べておられましたが、長時間練習神話にメスを入れるこの菅沢監督の決断は素晴らしかったと思います。

しかし、ただただ長時間練習をする慣習は、根強く日本のスポーツ界にあります。確かに練習をすることは悪いことではないです。ただ同じ練習をひたすら単調に続ける慣習は変えなくてはなりません。

練習に知恵と工夫を加えること。つまり、心技体と言いますが、これにもう1つ「知識」を加え心技体プラス知で、練習に取り組む意識を広めたいと思っています。

つまり、ただ数と時間を稼ぎ、失敗しないため練習を10時間するよりも、合理的な正しいフォームをイメージして、素振りを10分するだけで、プレーの質はがらっと変わるのです。長時間練習の効率の悪さは多くの論文で証明されています。日本人は体格に恵まれないからというコジツケも、ただの思い込みなのです。

スポーツ大国オーストラリアは、ハンドボールも世界一です。ハンドボールのスポーツ留学をした高校生がいました。彼が驚いたのは、その練習量の少なさだそうです。3分の1の練習で自分たちより圧倒的な強さを保っていることに衝撃を受けたのです。

なぜそんなことが可能なのか、答えは、科学的に研究された方法で短時間に徹底的に練習するからです。ややもすると、欧米の選手との体格差を言い訳にする指導者がいます。しかし、日本人の標準的な体格でも同様なパフォーマンスは十分可能なことです。

やはり、いわゆる必要と言われてきた要素「心技体」に「知」という要素は加え、広く世界を見渡し、知識を得ることの重要さの認識は、日本中の部活動指導者に浸透させるべきことと思っています。

そして、自分の経験や感覚を科学に置き換えて、指導法を工夫するスタイルの指導者が増えて欲しいと切に願っています。

長時間休まず苦しい練習してるというドラマが、日本のマスコミの大好物で、それに長年に渡って洗脳されていまっている人も多いのかも知れません。

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「1日の練習時間はおよそ2時間で短い時間で集中してトレーニングを行い、やりを投げるのは週に1回だった。このトレーニング方法が北口の成長を加速させ、リオ五輪銀メダルに相当する66メートルまで記録は伸びた」
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/1e02f78cff65ca10ecaa38532d0109c6581e09ac&preview=auto


 

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