婚活迷子の女性を救う為にはまず男性を救うべきなのかもしれない(後編)
「安心」と「ときめき」のどちらも欲しい
婚活の場ではお相手と先に進むかどうかの判断は女性の方が慎重なようです。男性はわりと、その人と会って楽しい、お相手に魅力を感じると思っていれば、先に進みたいと楽観的に考えている傾向が強いようです。
一方で女性は、結婚後の生活を考えると慎重に見極めようとしますし、たとえ条件は良かったとしても、お相手と接していて「なんか違う…」というとらえようのない不安を感じてためらうことも多いと聞きます。
人によっては、この「なんか違う…」を解決できず、自分を大事に想ってくれている男性から離れ、絶対に大事にはしてくれない「刺激的」な男性の方に気持ちがそれたりもします。
結局、女性は男性に「安心」と「ときめき」の両方を求めており、時に「ときめき」を求める気持ちが勝ってしまう場合もある。その見立てが正しいとすれば男性にとってはかなり難しく、前回の記事のように「女性は男性に対してもっと寛大に」という意見も出るのかも知れません。
結婚相談所の仲人も忙しいから
人柄で勝負するだけでは難しい、と思い知らされたところでどうすれば良いのかわからないと悩む人は、誰に相談すれば良いのか。
結婚相談所に入っている人たちなら仲人の存在があるのですが、仲人は事務処理をこなすだけでも忙しくて、個別の相談に丁寧に対応する時間がなかなか取れない人も多いのが現実です。
帝国データバンクの公開している情報によると、2023年には結婚相談所の倒産件数が過去最多の11件、休廃業を合わせて20件を超えたそうです。要因としてはマッチングアプリの台頭が大きいと分析されています。
私見ですが、プロの仲人の支援を受けられれば自分も結婚できると思っていたのに、期待していたような支援が受けられないのに失望して、これならマッチングアプリを使っていた方がまだましだ、と退会してしまう人も少なからずいるのではないでしょうか。
婚活・恋愛のコーチングに特化したサービスも増えつつある
お見合いや交際の仲介をする結婚相談所の事業とはまた別で、異性とのコミュニケーションの取り方や身だしなみなどのコーチング・トレーニングに特化したサービスも増えてきているようです。
この手のサービスは、男性向けであればいかにも押し出しの強そうな男性が、「モテるテクニック」を伝授するというギラギラした感じのものが多いような印象がありましたが、最近は、ごく一般的な女性の感覚で男性にアドバイスを行うという方針の事業者も出てきているようです。結婚を視野に入れたいのであればそちらの方が合っていると思います。
課題は、結婚相談所の業務は今ではWebシステムで大部分処理できるのに比べ、コーチングとなるとどうしても人の稼働がかかるので、費用はそれなりに高くなるというところです。マシンジムと比べてパーソナルトレーニングはずいぶん高いように見えるのと同じようなことです。
結婚相談所の仲人が会員へのコーチングの必要性を感じていながらも手が回らないのであれば、いっそのことこのような事業者と提携して、コーチングは委託してはどうでしょうか。そうすれば、コーチング事業は安定した集客が見込め、相談所は成婚率が上がりますし、会員の方々は結婚できるので全員が幸せになれます。
まとめ
「刺激的な悪い男」と「良い人なんだけど何か違う男」の究極の二択であれば女性は前者を選んでしまうかもしれません。ですが「刺激的な悪い男」と「良い人だしちょっと魅力的な雰囲気を持つ男」の二択なら後者を選ぶのではないでしょうか。
出会いを得る為の費用に加え、デート代もばかにならないのに、さらに訓練を受ける費用がかかるとなれば、恋愛や結婚はもはやぜいたく品だ!という意見もあるかも知れません。それは否定できません。結局は限られた資金と時間をどこに投資するか。よく言う「コスパ」「タイパ」の問題です。
いままでうまく行かなかった方法を続けていってもおそらく、よけいにうまくいかなくなりますし、ちょっとお金がかかってもモテるようになれば人生が楽しくなるでしょうから、今までモテてこなかった人は、出会いの場に参加するのは少し後にして、コーチングを受けてみるのも良いのではないでしょうか。
第一、それで実力がついたら、別に結婚相談所やマッチングアプリを使わなくてもお相手が見つかるかも知れませんし。
ただしこれだけは気をつけて下さい。モテるようになったからといって急に気が大きくなって、女性を泣かせるような男にはならないで下さい。そこだけは変わらないようにお願いします。