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防ごうネットサギ③ エロい気持ちを食い物にする身代金ソフトウェア

アダルトサイトの罠

 インターネットが一般に普及し始めた頃から現在に至るまで、ネットサギ被害で最も一般的なのが、「過激なアダルトサイトにアクセスしたら高額請求が来た」というものです。

 「無料で見られる無修正動画!」などといった、明らかに違法な水準で過激なWebサイトへ誘導するリンクを、「まことにけしからん!」とかつぶやきながら、興奮状態で次々とたどって行ったりすると、真っ赤な文字でこんな恐ろしい文言が突然表示されるわけです。

「会員登録が完了しました。10日以内に、指定の口座に20万円を振り込んで下さい。」

 面倒なことになるくらいなら払ってしまおう、と思える程度の金額の方が振り込まれる確率が高いらしいです。

 これがもし画面に表示されただけなら、ハッタリだと思って支払わず無視するほうが賢明かもしません。

 ですがもし、リンクをクリックした際に身代金要求型ウィルス(ランサムウェア)がダウンロードされてしまい、パソコンやスマホが感染してしまった場合は深刻です。

 パソコンはロックされて操作不能になり、「解除して欲しかったら仮想通貨で金を払え」などといったメッセージが表示されます。

 もうこうなったら終わりなので、パソコンは元に戻らないと覚悟して警察に通報した方が良いです。

 PC内にある秘密のコレクションがハッカーにばらまかれる!とパニックに陥るかも知れませんが、指示通り身代金を払ったとしても解決しません。金をだまし取られるだけで、約束通り解除されないどころか、「良いカモ」と思われて何度でもだまされる可能性があります。

エロい気持ちが勝ってしまった

 違法なアダルトコンテンツを観ようとして身代金ソフトウェアの被害に遭ってしまった人たちは、PCにセキュリティソフトを入れていなかったのか?一度、実際に被害に遭った人に訊いてみると「入れていた」との答えでした。

 だったら、怪しいWebサイトを開こうとした時に警告メッセージが出てアクセスが禁止されなかったのか?重ねてそう尋ねた時の答えが…。

「えっ、だって、セキュリティソフトが動いてると無修正のサイトは見られへんから、その時は一時的にセキュリティソフトを無効化してた…。」

 防犯の意識がエロい気持ちに負けてしまい、飛んで火にいる夏の虫になってしまっていた…。こうなるとお手上げです。

 だからこそ、インターネットが普及しはじめた頃に合法で安全な有料アダルトサイトを作った一部の企業は、ものすごく儲かったのでしょうね。