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オバチャンが国境を越えとる ~大阪の絡んでくるアイドル「オバチャーン」~

 貴方は、大阪の絡んでくるアイドル「オバチャーン」をご存知でしょうか。2011年から存在するそうですが、聞いて回っている限り関西でも知名度は今一つで、私自身、今年の6月に「タイフェスティバル」で偶然目撃してはじめて知りました。

 知名度が低いだけにイベントでは初見の人が大半だと思うのですが、一度見ると忘れられないどぎついインパクトがあり、イベントのテーマに関わらずその日一番の盛り上がりをかっさらっていく恐るべきアイドルグループ。それが、大阪の絡んでくるアイドル「オバチャーン」です。

 「アイドル!?」って聞き返す人も多いかも知れませんがアイドルです。平均年齢71歳。最高齢メンバーは今年80歳の大台だそうです。(2023年現在)オバチャーンというよりもはやオバアチャーンですがな、というツッコミが浮かんだ人も多いことかと思います。それゆえダンスパフォーマンスのキレは悪いですが勢いはものすごいです。

 そんなオバチャーンが、大阪市・扇町公園で行われる「レインボーフェスタ2023」に登場するという情報を得て、私は会場に向かいました。タイフェスティバルで共に目撃した人は仕事とかぶったので今回は単独。一人で行くのは若干怖かったのですが意を決して向かいました。

 会場にて。オバチャーン登場前に注意事項が放送されます。

「オバチャーンのステージを撮影した写真や動画の、SNSへのアップロードは一切、禁止して…おりません!」

 さすが太っ腹。私も遠慮なくアップロードさせていただきます。

 舞台の最前列には観光客とおぼしき多国籍な御一行様。なんと、虹色のオバチャーンTシャツを着ています。

 このTシャツが虹色ということが重要なのです。会場のグッズ売り場で売っていたTシャツは黒。つまり今年のものではない。オバチャーン自身も舞台の上から目撃して言及していた通り、なんと3,4年前のものだそうです。まさか、この日の為に来日した本物のファンか!?

 曲目は「オバパ!」「オバスカドン」「オバ・ザ・スカイ」「オバレゲエ」の4曲。なんと最後の「オバレゲエ」では今回特別に、観客も舞台に上がって一緒に踊れるとのこと。

 大阪のオバチャン達を先頭に、年齢も性別も性の認識も、国籍も髪の色も肌の色も関係なく一体になって歌って踊っています。

 「オバレゲエ」の無意味ゆえにどこの国の人でも簡単に歌える歌詞が呪文となって、大阪のオバチャンを中心に、この小さな舞台で世界が一つになったと言えます。これぞまさに多様性の社会のあるべき姿なのかもしれません。

※ 「オバレゲエ」の画像は一般の人たちが写っているので掲載は控えます

 この日、会場のオバチャーングッズ売り場で買い物をした人は特典として、オバチャーンメンバー全員との記念撮影ができました。私もTシャツを買い、それを着て皆さんと写真を撮りました。(ここには載せられませんが)

 舞台に上がっていた多国籍な方々ももちろん撮影に参加していました。列に並んでいたときのあの人たちのはしゃぎぶり。間違いなくあの人たちは自身のSNSにこの写真をアップロードするでしょうし、それはきっとあの人たちの国で多くの人たちが目にすると思います。

 もしかすると、地元の大阪および日本国内での知名度はそれほどでもないのに、オバチャーンは外国の日本マニアの方々には既に大人気なのかもしれません。現に、こうしてオバチャーンに会いに来日されている人たちが少なからずいるのです。

 そう思いながら、会場でもらったうちわを改めて見てみました。

 友人・知人のSNSでこれを見た外国の方々は、「これぞエキゾチック・ジャパン!」と思うかもしれず、自分も生でこの人たちの舞台を見てみたい!と思うかも知れません。

 ただし、この印象だけで「これこそが日本!」「これこそが大阪!」と思われたらちょっと、いやかなり困りますけど。

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