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「ギフトカードの番号を教えろ」はサギ(後編)正しくない使い方はサギと思え

前回の記事:

サギの被害者はギフトカードの発行会社!?

 私がこの事件に強い関心を持ったのは、この記事の事件が起こる1週間ほど前に、仕事の関係で、同様の手口によるサギ被害が増えているという話が耳に入ったからです。

 その話の中で驚いたのが、この事件のようにギフトカードの番号を詐取された場合、サギの被害者はカードを買って番号を教えた人ではなく、ギフトカードを発行した会社(この事例ではアップル社)になるそうです。警察からそう説明されたとのことでした。

 犯人とだまされた人が直接顔を合わさない上に、ウィルス感染したパソコンから犯人につながる証拠を得るのも困難。そしてギフトカードの発行会社が個別の事件に被害届を出すこともないでしょうから、この手口はサギ師にとって、奪える額は比較的少ない替わりに安全な犯行なのでしょう。

ネットストアの防犯対策

 神戸新聞NEXTの記事にあった事件ではギフトカードはコンビニで買っていますが、私が間接的に聞いた事例では、夜遅い時間であった為に外には出ず、アマゾンのネットストアでアップルギフトカードを購入しようとしたそうです。

 アマゾンも同様のサギに利用されたことが今まで数えきれないくらいあったのでしょう。現在は、ギフトカードをクレジットカード決済で購入しようとしてもすぐには買えず、アマゾンから購入者へ確認の電話連絡が入ります。

 電話でどのようなやり取りがあったのかまでは詳しく聞いていませんが、この電話がきっかけで被害者は冷静になり、ギフトカードの購入は取りやめて警察に相談に行きました。

「ギフトカード番号を教えろ」は怪しい

 ギフトカードの詐取がここまで広がっている為、ギフトカードを売る小売店全体に、ギフトカードを購入する客にはそれが本人の意思による買い物なのか、誰かに強要・誘導されていないかを確かめるよう国や警察から指導される日が来るかも知れません。(もしかしたら既に指導されているかも知れません)

 ただしこれは訊き方が非常に難しいです。店員からすれば善意でも、客側からすれば失礼と感じることも多いでしょう。長い年月を経てそれを訊かれるのが一般化してもかえって、酒やタバコを購入する時の「貴方は20歳以上ですか?」と同じように何も感じず通り過ぎるかも知れません。

 結論、被害者自身が違和感に気づいて踏みとどまるしかありません。アマゾンやアップル、グーグル等のギフトカードを、各社の正規のアプリやWebサイトを使った決済ではなく、他人が番号を教えろ(入力しろ)と指示してくるのは明らかにおかしいです。その相手が番号を奪い取って自分で使おうとしています。